子どもの歯磨きイヤイヤ

多くの親にとって、我が子への毎日の歯磨きは本当に骨が折れる作業です。

「なぜ嫌がるの?」と原因が分からず途方に暮れてしまうことも多いでしょう。

今回は、赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由やイヤイヤ期の対処法、歯磨き嫌いの赤ちゃんにおすすめのグッズを紹介します。

監修医師 デンタルクリニックビジュー院長 橘 佳苗 
橘 佳苗先生

歯学部卒業後、都内大学病院歯科口腔外科にて勤務。麻酔科研修を経て総合病院口腔外科・一般歯科にて口腔外科学会認定医として従事する。その後、2014年にデンタルクリニックビジューを開院。オーラルケアに関する事だけではなく、栄養学、漢方など幅広い視点で患者様の健康をサポートしている。現在は、一児の母としての経験を活かし、子供の歯やお口の健康についても積極的に情報を発信している。

目次

赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由

はじめに、赤ちゃんが歯磨きを嫌がる主な4つの理由を紹介します。

痛い

歯ブラシが痛い

赤ちゃんが歯磨きを嫌がるのは、『歯磨きをする時の痛み』が原因の場合があります。
歯磨きの際に痛みが生じる主な要因は下記の3つです。

磨き方が痛い

「しっかり磨いてあげたい」という気持ちから、つい力を入れて磨いてしまうのはよくあることです。

しかし、ゴシゴシと強く磨くと、歯ブラシが歯茎に当たったり、舌を巻き込んでしまったりして、赤ちゃんに痛みを与えてしまう可能性があります。

赤ちゃんの口腔内はとても敏感なので、大人と同じような力で磨いてしまうと傷つけてしまうので注意しましょう。

上唇小帯が巻き込まれて痛い

上の前歯の中央にある『上唇小帯』は、赤ちゃんにとってデリケートな部分です。

上唇小帯は上唇と歯茎をつなぐスジで、幼い頃は上唇小帯の幅が広く、上の前歯の歯と歯の間に入りこんでいるため、歯を磨く時に巻き込みやすいです。

上の前歯を磨いているときに嫌がるなら、気づかないうちに上唇小帯を巻き込んでしまっている可能性が高いです。

歯ブラシが痛い

ヘッドが大きかったり、毛先が硬かったりする歯ブラシは、赤ちゃんの小さく敏感な口腔内に合いません。

歯を磨いている時に、歯茎や舌、上唇小帯を巻き込みやすく、痛みや不快感の原因になります。

怖い

親の表情が怖い

赤ちゃんが歯磨きを嫌がるのは、『歯磨きが怖い』ことが原因の場合もあります。

親の表情・雰囲気が怖い

歯磨きをするときは、大人が上から覆いかぶさるような姿勢になり、真剣な表情で顔を覗き込むため、赤ちゃんにとって威圧的な存在に見えてしまうことがあります。

また、 なかなか歯磨きをさせてくれないと、イライラしたり怒ったりしてしまうこともあるでしょう。

親のイライラや焦りが伝わるため、『歯磨きは怖い』というネガティブな印象を持ってしまっている可能性があります。

無理やり押さえつけられて怖い

歯磨きを嫌がる赤ちゃんに対して、無理やり押さえつけて磨こうとしてしまうこともあるでしょう。

これは赤ちゃんにとって恐怖体験となり、歯磨きへの恐怖心を強めてしまいます。

 何をされるか分からなくて怖い

そもそも歯磨きという行為自体が理解できず、何をされるかわからないという恐怖感から、歯磨きを嫌がる場合もあります。

口の中が敏感

口の中が敏感

赤ちゃんの口腔内の感覚はとても敏感です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、口腔内に異物が入ってくる感覚に慣れていません。

そのため、歯ブラシのような硬いものが口に入ると、違和感を感じて嫌がってしまう場合があります。

呼吸ができず苦しい

呼吸が出来なくて苦しい

小さい子供は、歯磨き中に息を止めてしまうことが多く、呼吸ができずに苦しい思いをすることがあります。

また、長時間口を開けていると、唾液が溜まってきて息苦しさを感じやすくなります。

他にも、「口を開け続けていて顎が痛い」「疲れた」といったことも、歯磨き嫌いの原因になります。

【先輩ママ教えて!】歯磨きのイヤイヤ期について

ウィステリア製薬では、子育て経験者100人を対象に『歯磨きのイヤイヤ期』に関するアンケート調査を行いました。

歯磨きを嫌がるようになった時期や、イヤイヤ期が続く期間など、先輩ママたちの経験を参考にしましょう。

歯磨きを嫌がるようになるのは1歳前後が多い!

歯磨きを嫌がるようになったのはいつ頃から

アンケート調査(調査年:2024年)によると、歯磨きを嫌がるようになったのは、1歳前後に集中していることがわかりました。

特に、12ヶ月〜1歳1ヶ月の回答者が最も多く、40人と全体の4割を占めています。

この現象は、単なる反抗ではなく、自我の芽生えという大きな成長の証しです。

イヤイヤ期は、赤ちゃんが自分の意思を持ち始め、それを主張しようとする時期です。歯磨きだけでなく、食事や着替えなど、さまざまな場面でイヤイヤが出てきます。

歯磨きのイヤイヤ期は3歳頃まで続くケースが多い!

歯磨きのイヤイヤ期はいつ頃まで続きましたか

アンケート調査(調査年:2024年)によると、歯磨きのイヤイヤ期が終わった時期は、3歳頃が最も多く24人で、次いで2歳6ヶ月頃が19人という結果となりました。

歯磨きのイヤイヤ期は1歳頃から始まり、3歳頃まで徐々にピークを迎えた後、4歳頃にはほとんどの子が落ち着くようです。

しかし、中には5歳頃まで続いたという回答者もおり、個人差が大きいことがわかります。
イヤイヤ期の長さは、赤ちゃんの性格や親御さんの対応方法などによっても左右されます。

歯磨きのイヤイヤ期は多くの親御さんが悩む時期ですが、赤ちゃんの成長過程の一つとして理解し、根気強く向き合っていくことが大切です。

ここからはイヤイヤ期を乗り越えるためのポイントや対処法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

歯磨きイヤイヤの対処法

ここでは、歯磨きを嫌がる赤ちゃんへの対処法を4つ紹介します。

小さい頃から口の中を触って慣れさせる

歯が生える前に口周りや口腔内を触れる練習をしておくと、歯が生えたときに歯磨きへの抵抗感を減らせます。

機嫌が良いときに、清潔な指で頬や唇、歯茎、舌を触りましょう。
優しくツンツンしたりナデナデしたりして、楽しみながらスキンシップするのがポイントです。

赤ちゃん用の歯ブラシで優しく磨く

痛みが原因で歯磨きを嫌がる赤ちゃんには、『歯ブラシを変える』のが効果的です。

ヘッドが大きい歯ブラシや毛先が硬い歯ブラシは、赤ちゃんの敏感な口腔内を傷つけてしまい、痛みや不快感の原因になります。

口が小さく、敏感な赤ちゃんの口腔内に合わせて、ヘッドが小さく、毛先がやわらかい赤ちゃん用の歯ブラシを使いましょう。

歯磨きをする際は、歯ブラシの毛先を歯の面に真っ直ぐに当て、歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で小刻みに動かし、1〜2本ずつ磨くのが基本です。

『歯茎に当てないようにする』『上唇小帯を指でガードする』といったことも意識して、お子さんの反応を見ながら優しく磨きましょう。

楽しい雰囲気をつくる

恐怖心やつまらないことが原因で歯磨きを嫌がるお子さんには、『楽しい雰囲気づくり』が効果的です。

子どもは親の表情をよく見ています。仕上げ磨きの際にイライラしたり焦ったりしていると、子どもに不安や恐怖を与えてしまう可能性があります。

仕上げ磨きをするときは、笑顔で楽しい雰囲気を作りましょう。
親や兄弟と一緒に磨いたり、歯磨きに関する絵本や動画を見せたりして、歯磨きは楽しいものという良いイメージをつけましょう。

また、歯を磨くときは笑顔を意識して、優しく言葉をかけると赤ちゃんが安心できます。

「次はこっちを磨くよ」「ここ触るね」と伝えながら歯を磨くと、何をされるかわからない怖さを感じにくくなるでしょう。

歯磨きをしている間、手鏡で口腔内を見せてあげるのも良い方法です。

なるべく短い時間で終わらせる

歯磨きに時間がかかると飽きてしまったり、疲れてしまったりするため、なるべく短時間で終わらせましょう。

2歳未満は歯の本数が少ないため1分程度で十分です。乳歯が生え揃ったら3分を目安に磨きましょう。

また、子どもが機嫌が悪い時や疲れている時に仕上げ磨きをすると、嫌がったり、ぐずったりしてしまうことがあります。

仕上げ磨きは、食事から寝るまでの間で、子どもが機嫌が良い時にするようにしましょう。

歯磨き中は一気に磨こうとせず、呼吸や唾液を飲み込むタイミングを作ってあげることも大切です。

そうすることで、息苦しさを感じることなく、快適に歯磨きを続けることができます。

\仕上げ磨きのやり方についてはこちら/

歯磨きを嫌がる赤ちゃんにおすすめのグッズ

ここでは、歯磨きを嫌がる赤ちゃんにおすすめのグッズを4つ紹介します。

【絵本】はみがきあそび 

絵本 はみがきあそび

出典:Amazon

きむらゆういちさんの『はみがきあそび』は、遊びながら歯磨き習慣が身に付く、対象年齢0歳からの『しかけ絵本』です。

1998年にスタートした人気シリーズ『あかちゃんのあそびえほん』のひとつで、全国学校図書館協議会の選定図書にも選ばれている人気の作品です。

コンパクトなサイズなので、おでかけや旅行時にも便利です。

商品の詳細はこちら

【動画】はみがきのうたひとりでもできる

歯磨きを嫌がる赤ちゃんには、幼児・子供向けの教育ブランド『ピンキッツ』の動画『はみがきのうたひとりでもできる』もおすすめです。

キャラクターが歌いながらリズミカルに歯磨きするアニメーション動画で、歯磨きタイムが明るく楽しい雰囲気になります。

動画を見せながら歯磨きをするのもおすすめです。

【自分磨き用歯ブラシ】シリコン歯ブラシセット

シリコン歯ブラシ

出典:楽天

赤ちゃんが歯ブラシに興味を持つようになったら、自分磨き用のベビー歯ブラシを与えるのがおすすめです。

Ciメディカルから販売されている『歯科医院専用ベビー歯ブラシ』は、歯茎にやさしいシリコンヘッドで先端が喉の奥に行かないようにストッパーが付いているので、安心して使用することができます。

ただし、自分磨き用の歯ブラシは、まだ上手に磨けない赤ちゃんにとって、「汚れを落とす」という観点からはほとんど機能しません。そのため、仕上げ磨きは必ず行うことが大切です。

商品の詳細はこちら

【仕上げ磨き用歯ブラシ】痛くない歯ブラシ【PR】

痛くない歯ブラシ

歯磨きを痛がるお子さんには、ウィステリア製薬の『痛くない歯ブラシ』がおすすめです。

歯科医師が監修した子供の口に合わせた小さめのヘッドで、磨きにくい奥歯も無理なく磨くことができます。

超極細密毛で毛先を丸く加工しているので、子供のデリケートな歯や歯茎を傷つけることなく綺麗に磨くことができます。

商品の詳細はこちら

『歯磨きを嫌がる理由を理解して、歯磨き嫌いを克服しよう!』

赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由は、「痛い」「怖い」「苦しい」「楽しくない」などさまざまです。

大切なのは、まずは赤ちゃんの気持ちに寄り添い、なぜ嫌がっているのか理解してあげることです。

今回の記事で紹介した、歯磨きを嫌がる赤ちゃんへの対処法を参考に、お子さんが歯磨きを好きになるようにサポートしてあげましょう。

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