生後6ヶ月は、小児の発達において重要な転換期です。

この時期になると、多くの赤ちゃんがおすわりを始め、感情表現も多様化します。
また、睡眠パターンも変化し、夜間睡眠が安定してくる傾向が見られます。

今回は、成長・発達・1日の生活リズムなど、生後6ヶ月を迎えた赤ちゃんの特徴について詳しく紹介します。

監修医師 医療法人社団高栄会みさと中央クリニック院長  高橋 公一
高橋 公一

高橋 公一

医療法人社団高栄会みさと中央クリニック院長

専門領域:小児科

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目次

生後6ヶ月赤ちゃんの成長・発達の特徴

まずは、生後6ヶ月を迎えた赤ちゃんの成長・発達の特徴をチェックしてみましょう。

成長(身長・体重)

厚生労働省の『平成22年 乳幼児身体発育調査』によると、生後6ヶ月〜7ヶ月未満の赤ちゃんの身長・体重の目安は以下の通りです。

​​

男の子女の子
身長63.6~72.1cm61.7~70.4cm
体重6.4~9.6kg6.1~9.1kg
服のサイズ70cm
おむつのサイズMサイズ
出典:厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書

赤ちゃんの成長スピードは早く、生後6ヶ月を過ぎると体重は出生時の2倍程度になります。

生後6ヶ月以降は、成長スピードが少し緩やかになりますが、身長は1ヶ月に1cm程度伸び、体重は1日10〜20g程度増えるのが一般的です。

身体の発達(出来るようになること)

生後6ヶ月になると身体の発達が進み、以下のようなことができるようになってきます。

<寝返りができる>

生後6ヶ月になると、寝返りができるようになる赤ちゃんが多いです。

突然寝返りをする赤ちゃんもいますが、寝返りを始めるサインには以下のようなものがあります。

  • 興味があるものを目で追う
  • 仰向けでよく動くようになる
  • 自分の力で横向きになる

寝返りができるようになると行動範囲が広がるため、周りに危険なものを置かないようにしましょう。

<ずりばいをする>

寝返りができるようになると腹ばいの姿勢で遊ぶようになり、お腹をつけたまま腕や足を使って前に進む『ずりばい』を始めることもあります。

ずりばいを始めるサインは、うつ伏せの状態で手足をバタバタ動かす動作です。

ずりばいから四つん這い、高ばい、ハイハイの順に進んでいくのが一般的ですが、ずりばいをせずにハイハイをし始める赤ちゃんもいます。かないようにしましょう。

<おすわりを始める>

生後6ヶ月頃になると、赤ちゃんはおすわりを始めます。

最初は手をついて少しの間座れるようになり、徐々に1人で安定して座れるようになります。おすわりを始めたばかりの頃は、まだ腰が安定していないため、大人がそばで支えて目を離さないようにしましょう。

倒れたときに怪我をしないように、安全な環境を整えることも大切です。また、一人でおすわりがしっかりできるようになるまでは、無理にベビーチェアに座らせるのは避けましょう。

心の発達

生後6ヶ月になると心の発達により、以下のような成長もみられるようになります。

<喃語が出てくる>

生後6ヶ月頃になると、これまで「あー」「うー」という母音のみの発声が、「ばばば」「ままま」など子音+母音が連続する『喃語(なんご)』が出てくるようになります。

はっきりとした言葉にはなっていませんが、喃語が出てきたら反応してあげましょう。

反応を返すと赤ちゃんはコミュニケーションがとれたことに安心感や喜びを覚え、さらに色々な言葉を話すようになります。

喃語をたくさん話すことは、赤ちゃんが言葉を発する練習になり、舌や口、声帯などの発語に関わる筋肉の発達を促します。そのため、赤ちゃんの発する声に積極的に応えてあげることが大切です。

<感情表現が豊かになる>

生後6ヶ月になると情緒が発達し、感情表現が豊かになってきます。

嬉しいときに笑うことを覚え、声を出して笑うこともあるので、お世話をするのが楽しく感じられるでしょう。

その一方で、「怖い」「不安」「寂しい」といった感情も発達するため、心身が不安定になり、急にグズったり泣いたりすることが増えてきます。

夜泣きや人見知りをするようになり、「抱っこや授乳をしても機嫌が良くならない」「少しでも離れたり抱っこをやめたりするとすぐに泣く」といったことも少なくありません。

対応に困るような行動が多くなるので、『魔の6ヶ月』といわれることもあります。

乳歯が生えてくる

一般的に、生後6ヶ月頃になると下の歯が生えてきます。

乳歯が生えてくると、違和感やむずがゆさから不機嫌になったり、寝ぐずりを起こしたりする場合があります。

そのような反応が見られたら、歯固めを噛ませて、歯ぐきの痒みを和らげてあげましょう

最初の歯が生えたら、虫歯予防のために歯磨きを始めることが大切です。

ただし、いきなり歯ブラシを口に入れると、赤ちゃんはびっくりして嫌がってしまうことがあります。

赤ちゃんの成長に合わせて、徐々に口腔ケアを始めるようにしましょう。

\赤ちゃんの歯磨きのやり方・始め方についてはこちら/

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生後6ヶ月の赤ちゃんの生活リズム

生後6ヶ月になると、離乳食が始まったり、夜にまとめて眠れるようになったりして、生活リズムが変化します。

赤ちゃんによって異なりますが、生後6ヶ月の生活リズムの目安は以下の通りです。

7:00〜起床・授乳・遊びなど
9:00〜昼寝
10:00〜授乳・離乳食・散歩など
12:30〜昼寝
16:00〜授乳・遊びなど
17:00〜お風呂
19:00〜授乳・ねんね
3:00〜授乳・ねんね(夜通し寝る場合もある)

離乳食

生後5〜6ヶ月は、離乳食を始める一般的な時期です。

赤ちゃんが周りの人の食事に興味を示し、口を動かしたり、食べ物を目で追ったりするなど、食べたそうな様子が見られたら、離乳食を始めるサインです。

まずは、消化の良い10倍粥を小さじ1杯から始め、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ量や食材を増やしていきます。

離乳食を始めて最初の1ヶ月は、1日1回の一回食が基本です。 

赤ちゃんの様子を見ながら、2ヶ月目以降は2回食、3ヶ月目以降は3回食と、徐々に回数を増やしていきます。

授乳回数・ミルクの量

生後6ヶ月頃になると、離乳食が始まり、赤ちゃんは徐々に離乳食で栄養を補えるようになります。

そのため、授乳の回数は1日5回程度に減っていくのが一般的です。
ミルクの場合は、1回あたり200〜240mlを目安に与えると良いでしょう。

授乳間隔は、赤ちゃんによって異なりますが、3時間〜4時間程度が目安です。

夜間も、3時間〜4時間程度の間隔で授乳が必要な赤ちゃんもいれば、夜通し寝てくれる赤ちゃんも出てきます。

睡眠時間・お昼寝

生後6ヶ月頃の睡眠時間は、1日13〜14時間程度が目安です。

昼と夜の区別がついてきて、夜に11時間程度の睡眠をとるようになります。

昼寝は3時間程度で、午前・午後の1回ずつになっていくことが多いです。

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生後6ヶ月の赤ちゃんに関する気になる質問

ここでは、生後6ヶ月の赤ちゃんに関する気になる質問と回答を紹介します。

6ヶ月の乳幼児健診ではどのようなことをチェックしますか?

6〜7ヶ月健診の内容は自治体や医療機関によって異なりますが、一般的には以下のようなことをチェックします。

身体測定体重や身長など身体の成長具合を確認します。
身体機能寝返りやお座り、手・指先の発達、追視、耳の機能、バランス機能などを確認します。
反射反応
(引き起こし反射)
仰向けで寝かせ、両手をもって引き起こしたときに頭が身体と平行してついてくるか、上肢は屈曲して腕に力が入るかなどを確認します。
ハンカチテスト
(神経発達・知能発達の状態)
顔に被せたハンカチを手で払いのけるかを確認します。
乳歯の状態乳歯の生え具合を確認します。
日常生活の状態離乳食の進み具合や量、睡眠、排泄の状態などを確認します。

6ヶ月頃に見られる発達障害の特徴はありますか?

生後6ヶ月頃に見られる発達障害の特徴には、以下のようなものがあります。

特徴
  • 物を握る・掴む・振るなどの基本的な動作ができない
  • 物や人への興味が薄く、触覚や視覚を使って調べようとしない
  • 転がることができない
  • 支えがあっても安定して座れない
  • 親しい人の顔を認識しない
  • 笑ったり声を出したりすることが少ない
  • 社交的な遊びに興味がない
  • 子音を含む言葉を発さない

子どもの発達には個人差があるため、このような特徴に当てはまるからといってすぐに発達障害と判断されるわけではありません。

不安がある場合は、乳幼児健診の際に医師に相談してみましょう。

生後6ヶ月の赤ちゃんとの遊びは何がおすすめですか?

生後6ヶ月頃の赤ちゃんとの遊びは「いないいないばぁ」がおすすめです。

生まれてすぐの赤ちゃんは記憶力がまだ十分ではありませんが、生後6ヶ月頃になると、一時的に情報を保持する働きであるワーキングメモリが発達し始めます。

そのため、あるものが隠れて再び現れるという一連の出来事を記憶し、その変化に驚きや喜びを感じることができるようになります。

「一度なくなったものが、また現れる」という経験は、赤ちゃんに「予測」や「想像」といった能力を育み、脳の神経回路を複雑にすることで、脳の発達を促すと考えられています。

子供の成長に寄り添い、子育てを楽しもう!

生後6ヶ月の赤ちゃんは、表情が豊かになり、色々なことができるようになってくるため、赤ちゃんの成長に喜びを感じる機会が増えるでしょう。

その一方で、離乳食の用意や夜泣きの対応などお世話が増えて、楽しみとともに苦労も感じやすい時期です。

生後6ヶ月になると一時保育の利用ができる施設が多いため、ストレスや疲れを感じているときはリフレッシュする時間を作ることを検討してみましょう。

家族や周りの人のサポートを受けながら、子供の成長に寄り添って子育てを楽しんでください。

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