子どもの自主的な成長を促す『モンテッソーリ教育』。

モンテッソーリ教育に興味があるけれど、家庭での取り入れ方が分からない…。というママ・パパも多いでしょう。

この記事では、モンテッソーリ教育の考え方や教育方針、家庭での実践などについて、専門家の視点から詳しく解説します。

<この記事で分かること>

モンテッソーリ教育って何?・・・子どもが本来持っている「自己教育力」を重視した教育

子供への正しい接し方・・・モンテッソーリ教育は家庭でも簡単に取り入れられる!

メリット・デメリット・・・モンテッソーリ教育で育児の悩みが解消するかも?!

監修者 (株)D・G・P代表取締役。 0歳からの乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事長  伊藤 美佳
伊藤 美佳

伊藤 美佳

​​幼児教育に関わり40年以上の専門家。
6冊の書籍を出版し、累計で20万部のベストセラー著者


海外5カ国に翻訳出版され「中田敦彦のYouTube大学」「ヒルナンデス」「東洋経済オンライン」などで紹介され大反響!

幼稚園を運営していた頃、独自の教育手法が話題となり入園者が殺到する人気園にする。そこから、幼児教育を40年以上研究し続け、子どもの発育発達にはママやパパの接し方や幼少期の教育が重要になることを再確認。モンテッソーリ教育と独自の教育手法をかけ合わせ、生まれながらに持っている才能を誰でも開花させる独自メソッドを開発。

これまで5万人以上の保護者と3万人以上の子どもに関わり、育児革命を起こし続けている。自分を肯定しながら個性を最大限に発揮し合う社会の実現を目指して活動をしている。

伊藤先生の監修した記事一覧
https://kodomonosiro.jp/specialist/specialist-2369/

目次

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育とは、どのような教育法なのでしょうか。

ここでは、モンテッソーリ教育の目的や考え方、教育方針などについて解説します。

目的・考え方

モンテッソーリ教育とは、子どもは自ら成長するための「自己教育力」を備えているという考えに基づいた教育法です。

大人は子どもに教えるのではなく、子どもが自ら学ぶ力を発揮できるよう、発達段階に合った環境を用意することが大切だと考えられています。

モンテッソーリ教育の目的は、自立心や責任感、思いやりを持ち、生涯学び続けることができる人間を育てることです。

大人は子どもの成長を見守り、子ども自身が興味のあることを選択できる環境を用意することで、自主性や自己肯定感を育みます。

教育方針

モンテッソーリ教育では、子どもには「特定の能力」が伸びる「特別な時期」があると考えられています。

この特別な時期を「敏感期」と呼び、モンテッソーリ教育では、この敏感期に合わせた教育を行うことで、子どもが生まれ持った学びの力を最大限に引き出すことを目指しています。

年齢は6歳までが大切な時期とされ、とくに人格や人生の土台となる発達の敏感期は、3歳までに現れます。

敏感期は時期を過ぎると二度と訪れないため、この時期に子どもが興味を示すことやできることを大切にしてあげることが重要です。

【敏感期・一覧表】

敏感期一覧表

たとえば、0歳から3歳頃の子どもは、体を動かすことが大好きで、生活に必要な運動能力を身につけるために、遊びを通して一生懸命体を動かします。

この「運動の敏感期」と呼ばれる時期には、特に手指を使った活動が脳の発達を促し、さまざまな能力の基礎を築きます。

そのため、大人は子どもが安全に自由に体を動かせる環境を整え、見守ることが大切です。

「危ないからダメ」「部屋が散らかるからダメ」と行動を制限するのではなく、子どもが自分でできるよう見守り、サポートすることが大切です。

考案者・背景

「モンテッソーリ教育」は、イタリア初の女性医学博士であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士によって創始された教育法です。

もともと障害を持つ子どもの教育に用いた方法でしたが、健常児にも応用できると考え、1907年に保育施設「子どもの家」を設立し、モンテッソーリ教育の基礎を築きました。

その後、モンテッソーリ教育は欧米を中心に世界中で普及し、100年以上経った今でも多くの人々がモンテッソーリ教育を受けて育っています。

モンテッソーリ教育で育った有名人

モンテッソーリ教育で育った有名人には、以下のような人たちがいます。

主な有名人
  • スティーブ・ジョブズ(Apple創業者)
  • セルゲイ・ブリン、ラリー・ペイジ(Google創業者)
  • マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)
  • ピーター・ドラッカー(経営学者)
  • ウィリアム王子、ハリー王子(英国王室)
  • バラク・オバマ(米国大統領)
  • 藤井聡太(プロ棋士)
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モンテッソーリ流・家庭でできる子供への接し方

モンテッソーリ教育を受けるには、特別な幼稚園や学習教室に通わせないといけない、というイメージがあります。

しかし、モンテッソーリ教育の考え方を学べば、家庭でも簡単に取り入れることができます。ここからは、モンテッソーリ流の家庭でできる子どもへの接し方を紹介します。

すべてを受け入れる

子どもと接するときは、子どもの表現を尊重することが大切です。

たとえば、バナナを青色に塗ったときに「バナナは黄色でしょ」と一方的に否定するのではなく、「綺麗な色使いだね!どんな気持ちで描いたの?」と尋ねてみましょう。

子どもは自分の表現を通して世界を認識しています。

大人からすれば「間違っている」と思えることでも、子どもにとっては大切な表現の手段です。

大人の価値観を押し付けずに、子どもの自由な発想を肯定的に受け止めましょう。

自分で選ばせる

小さな子どもでも意思があり、自分で選択することができます。

大人が一方的に決めるのではなく、自分で選ぶ機会をたくさん作ってあげましょう。

たとえば、おもちゃを選ぶときには、いくつかの中から選ばせてあげると、決断力や自己肯定感が育まれます。

小さい頃から自分で選ぶ経験を積み重ねることで、大人になってからも周囲の意見に振り回されることなく、自分が納得できる選択ができるようになります。

信じて待つ

子どもに言い聞かせるのではなく、信じて見守りましょう。

モンテッソーリ教育では、「叱る」よりも「伝える」、そして「褒める」よりも「認める」という考え方を大切にします。

子どもが間違った行動をしたときには、その理由を説明したり、自分の気持ちを伝えたりして、子どもが自ら考えられるように促しましょう。

物事の結果を褒めると、内発的な興味や好奇心よりも、外からの評価を優先するようになる可能性があります。

結果だけでなく、結果までのプロセスや努力を認めてあげることが大切です。

満足するまでやらせる

子どもが夢中になっている時は、集中力が途切れないよう満足するまでやらせてあげましょう。

満足するまでやり切ることで能力が伸び、集中力や達成感が育まれます。

忙しかったり、時間に限りがあったりして付き合いきれないときは、ルールを決めておくのがおすすめです。

たとえば、「時計の長い針が12の位置になったらおしまいね」とあらかじめ伝えておくと、子どもの不満も残りにくくなるでしょう。

自分で解決させる

モンテッソーリ教育では、子どもを見守ることを基本的なスタンスとしています。

小さな子どもでも自分で考えて解決する力を持っており、経験から学んで成長します。

すぐに手助けをしようとせず、子どもが自分で解決できるよう、適切なタイミングでサポートしましょう。

間違いを訂正しない

子どもは失敗や成功体験を繰り返して成長していくため、間違いを訂正しないようにしましょう。

正しいやり方で行うことよりも、自分で間違いに気づくことが大切です。

試行錯誤しながら目的を達成する経験を積むことで、自主的に行動できるようになり、問題解決力が身につきます。

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モンテッソーリ教育のメリット・デメリット

ここでは、モンテッソーリ教育のメリット・デメリットについて紹介します。

メリット①|個性・才能が伸びる

モンテッソーリ教育では、子どもが自ら学び、発見していくことを重視します。

幼い頃から自分のやりたいこと、得意なことに没頭できるため、個性や才能が伸びやすい教育法です。

メリット②|積極性が身に付く

モンテッソーリ教育は子ども主体の教育法で、子どもの意思や興味関心を尊重します。

この環境の中で育つ子どもたちは、自ら考え、行動し、新しいことに挑戦していくという積極的な姿勢を身につけることができます。

メリット③|集中力が養われる

モンテッソーリ教育では、子どもが好きなことに集中して取り組めるよう、大人は環境を整えて、見守ることを大切にしています。

幼少期の頃から、やりたいことに夢中になれるので集中力が養われます。

メリット④|子育てのストレスが減る

モンテッソーリ教育では、親は子どもの成長をサポートする存在であり、教える存在ではありません。

そのため、従来のように「大人が管理する・大人が叱る」というストレスから解放され、子どもとの関わり方を見直すことができます。

また、今までは子どもの困った行動にしか見えなかった行動にも、意味があることを知ることができるため、冷静に対応できるようになります。

デメリット①|協調性が薄れる

モンテッソーリ教育は、自主性を尊重する教育法のため、協調性が薄れるといわれることがあります。

しかし、個の成長を大切にする一方で、社会性や協調性を育むことも目指しています。

モンテッソーリ教育は、協調性を阻害するのではなく、むしろ、子どもたちの社会性を育み、より豊かな人間関係を築く基盤となる教育法です。

デメリット②|わがままになる

モンテッソーリ教育は、子ども中心の教育であることから、「わがままな子に育ってしまう」という誤解を受けることがあります。

しかし、実際には子どもたちのわがままを助長するのではなく、むしろ自立心を育むことで、将来の社会生活で必要な協調性や自制心を育みます。

デメリット③|金銭的負担が大きい

モンテッソーリ教育は、専門の環境や教材が必要というイメージから、高額な教育費がかかると誤解されることがあります。

しかし、現在は、インターネットや書籍を通じて、モンテッソーリ教育に関する情報に気軽にアクセスすることができます。

また、教具は必ずしも専門のものを購入する必要はありません。
身近なもので代用したり、手作りしたりすることも可能です

モンテッソーリ教育の考え方を取り入れて子育てを楽しもう!

モンテッソーリ教育は、子どもの自発性を尊重し、無限の可能性を引き出す教育法です。

日本ではあまり浸透していないため、敷居が高い教育法と思われがちですが、考え方を学べば、家庭でもモンテッソーリ教育を取り入れることが可能です。

ぜひ、モンテッソーリ教育を取り入れて、お子様の成長を温かく見守りながら、豊かな子育てを楽しんでください。

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