生後11ヶ月の赤ちゃんは、つかまり立ちからつたい歩きへと成長し、言葉もどんどん理解するようになります。
この記事では、そんな11ヶ月の赤ちゃんの成長と発達、1日の生活について詳しく紹介します。
<この記事で分かること>
生後11ヶ月の赤ちゃんに出来ること・・・発達に伴い出来ることが増える!
1日の過ごし方・・・離乳食が3回食になり生活リズムが整い始める
発達障害の兆候・・・子どもの発達には個人差があるため、この時点では判断しにくい
おすすめのおもちゃ・・・絵本・積み木・手押し車など発達段階に合わせて選ぶことが大切!
高橋 公一
医療法人社団高栄会みさと中央クリニック院長
専門領域:小児科
高橋先生の監修した記事一覧
https://kodomonosiro.jp/specialist/specialist-2103/
生後11ヶ月赤ちゃんの成長・発達の特徴
まずは、生後11ヶ月の赤ちゃんの成長(身長・体重)、身体・言葉・心の発達の特徴を紹介します。
成長(身長・体重)
厚生労働省が発表した『平成22年乳幼児身体発育調査報告書』によると、生後11〜12ヶ月未満の赤ちゃんの身長・体重の目安は以下の通りです。
男の子 | 女の子 | |
---|---|---|
身長 | 69.4〜78.5cm | 67.4〜76.7cm |
体重 | 7.51〜10.82kg | 7.02〜10.27kg |
服のサイズ | 80cm | |
おむつのサイズ | Mサイズ |
身体の発達(出来るようになること)
ここでは、生後11ヵ月の赤ちゃんの身体的な発達について紹介します。
生後11か月頃になると、つかまり立ちが安定し、つたい歩きを始める赤ちゃんが増えてきます。最初は2、3歩程度ですが、だんだん移動できるようになり、早い子ではひとり歩きを始めることもあります。
つたい歩きが始まると、バランスを崩して転倒したり、倒れやすいものにぶつかってケガをしたりする危険性が高まります。そのため、部屋の安全対策をしっかり行い、事故やケガを防ぐことが大切です。
つたい歩きやひとり歩きができるようになったら、ファーストシューズを用意しましょう。赤ちゃんの足に合わない靴を履かせると、足の成長を妨げる可能性があります。足のサイズにぴったりと合った、安全性の高い靴を選ぶことが大切です。
生後11ヶ月の赤ちゃんは、親指や人差し指など、それぞれの指が独立して動くようになり、さらに手先が器用になります。
たとえば、引き出しを開けて中身を出したり、スイッチをいじったり、蓋を開け閉めしたりするなど、身の回りのものにたくさん触れて遊ぶようになります。
一見いたずらのように見えますが、好奇心に基づいた探索行動で赤ちゃんの発育において、とても大切な過程です。
家の中の安全に配慮した上で、赤ちゃんの探究心を見守り、さまざまな体験をさせてあげましょう。
言葉の発達
ここでは、生後11ヵ月の赤ちゃんの言葉の発達について紹介します。
生後11か月頃になると、言葉の意味を少しずつ理解できるようになります。
「◯◯はどこかな?」と聞くと指を差したり、「ちょうだい」と手を出すと渡してくれたりするなど、簡単なやり取りができるようになってくるでしょう。
「あ、あ」「「マンマンマ」など声を発することが多くなり、早い子では「ママ」「マンマ」など最初の言葉を発する場合もあります。
生後11か月頃になると、赤ちゃんは欲しいものを指さして、何かを伝えようとする機会が増えてきます。そんな時は、「ブーブーが欲しいのかな?」「絵本を読んであげようか?」と、赤ちゃんの気持ちを言葉で表してあげると、言葉の発達が促されます。
また、大人の真似をするのもこの時期の特徴です。
バイバイと手を振ったり、パチパチと拍手したりと、大人の行動を真似して楽しんでいる姿が見られるかもしれません。
心の発達
ここでは、生後11ヵ月の赤ちゃんの心の発達について紹介します。
生後11ヶ月頃になると、社会性が芽生え始め、他の赤ちゃんに興味を持ち始めます。
まだ一緒に遊ぶことはできませんが、他の赤ちゃんが遊んでいるところを見つめたり、真似をしたりすることがあります。
公園や地域の子育て支援センターなどで他の赤ちゃんと触れ合う機会を作ると、良い影響を受けて成長のきっかけになるでしょう。
生後11ヶ月の赤ちゃんは自我がさらに強くなり、自己主張が激しくなります。
「おやつが食べたい!」「もっと遊びたい!」と、言葉で表現できない分、大きな声を出したり、身体を動かしたりして、気持ちをアピールすることがあります。
そんな時は、「今はまだおやつはダメだよ」「ちょっと待ってね」など、赤ちゃんの気持ちに寄り添いながら、理由を分かりやすく説明してあげましょう。
また、興味の引くおもちゃを見せたり、好きな歌を歌ったりするなど、他のことに気を向けさせてあげるのも効果的です。
生後11ヶ月の生活リズム・スケジュール
ここからは、生後11ヶ月の赤ちゃんの生活リズムを紹介します。
生後11ヶ月の1日のスケジュール例は以下の通りです。
離乳食
生後11か月頃になると、多くの赤ちゃんが3回食のリズムに慣れて、離乳食をしっかりと食べられるようになります。
離乳食からたくさんの栄養が摂れるようになるため、一回の食事で、ご飯やパンなどの炭水化物、肉や魚などのたんぱく質、野菜などのビタミンをバランスよく摂れるメニューを心がけましょう。
一方で、好き嫌いをしたり遊び食べをしたりして、離乳食が進まなくなるケースもあります。
自分の手で持てるメニューを取り入れる、赤ちゃんが食事に集中できる環境を作る、味付けを工夫するなど、さまざまな方法を試してみましょう。
離乳食が進まないときは、栄養バランスをサポートするフォローアップミルクを取り入れるのも良いでしょう。
授乳回数・ミルクの量
離乳食が3回食になると、赤ちゃんは離乳食から多くの栄養を摂れるようになるため、自然と授乳回数は減ってきます。
個人差はありますが、1日2〜3回程度になることが多いでしょう。
授乳量は、母乳もミルクも1回あたり200mlが目安ですが、離乳食の進み具合に合わせて、適宜調整することが大切です。
おむつ替えの頻度・うんち
生後11ヶ月頃になると、おむつを替える回数は1日8回以下になることが多いです。
1回の排尿量が増えるため、おむつが汚れたらできるだけ早く取り替えてあげましょう。
うんちは1日1〜2回程度で、離乳食が進むにつれて固くなり、色は茶褐色に、においも大人のうんちに近づいてきます。
おむつを替えるたびに、うんちの状態をチェックするようにしましょう。 そうすることで、便秘や下痢などの異変に早めに気づくことができます。
歯磨き
生後11ヶ月頃になると、上下あわせて合計8本の乳歯が生え始めます。
歯が生え揃うにつれて、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間に汚れが溜まりやすくなります。
また、離乳食が3回食になることで、歯に汚れが付着しやすくなるため、虫歯のリスクが高まります。
赤ちゃんが嫌がるときは無理をしなくても良いですが、就寝中は唾液量が減って虫歯のリスクが高まるため、就寝前の歯磨きはしっかり行うことが大切です。
睡眠時間・お昼寝
生後11ヶ月頃の睡眠時間は、11〜13時間程度、お昼寝の回数は1〜2回が目安です。
夜にまとめて眠れる赤ちゃんが増えてきますが、なかには夜泣きや寝ぐずりをする赤ちゃんもいます。
夜泣きは、生活リズムの乱れや、睡眠環境、添い乳や抱っこ寝といった間違った寝かしつけ方が原因となっている場合が多いです。
夜泣きが続く場合は、これらの要因を見直してみることをおすすめします。
生後11ヶ月の赤ちゃんに関する気になる質問
ここでは、生後11ヶ月の赤ちゃんに関する気になる質問と回答を紹介します。
生後11ヶ月頃に見られる発達障害の兆候はありますか?
生後11ヶ月頃に見られる発達障害の特徴には、以下のようなものがあります。
- お座りをしない
- 手を伸ばしておもちゃを取らない
- つかみ方がおかしい(親指と人差し指・中指の2本でつかむのが普通)
- 片方の手をつかわない
- 下肢を着かない
- 反応が鈍い、追視しない
- 呼んでも振り向かない
- つま先立ちする
- つかまり立ちさせようとしても足をつきたがらない
ただし、この時期の発達には個人差が大きいため、これらの特徴がみられても、必ずしも発達障害というわけではありません。
成長過程で自然に改善することもあるため、現段階では経過観察となることも多いですが、もし心配な場合は小児科医にご相談ください。
ママにべったりで離れると泣きます。このままで大丈夫ですか?
ママが離れようとすると泣き叫んで、しがみついたり追いかけたりするのは、『分離不安』と呼ばれる、赤ちゃんが成長する過程でよく見られる現象の一つです。
通常、生後7〜8か月頃から始まり、2〜3歳頃までに落ち着くことが多いので、心配する必要はありません。
赤ちゃんに『すぐ戻るからね』と声かけをしたり、離れた場所から『いるから大丈夫だよ』と声をかけたりすることで、安心感を与え、分離不安を和らげることができます。
何をしても改善せず、日常生活に支障が出ている場合は、自治体の子育て支援センターや保健センター、または専門の相談機関に相談することをおすすめします。
生後11ヶ月の赤ちゃんにおすすめのおもちゃや遊びは何ですか?
生後11ヶ月の赤ちゃんは、言葉の意味を理解し始めたり、身体を動かすことが大好きになったりと、心身ともに大きく成長します。
おもちゃを選ぶ際は、赤ちゃんの発達段階に合ったものを選ぶことが大切です。
生後11ヶ月の赤ちゃんには、下記のようなおもちゃがおすすめです。
おもちゃ・遊び | 効果 |
---|---|
絵本 | さまざまな絵や言葉に触れることで、言葉の発達を促し、想像力を豊かにする |
手押し車 | 歩く楽しさやバランス感覚を育む |
積み木、形合わせ | さまざまな形や素材のものに触れることで、触覚や視覚を刺激し、指先の巧緻性を高める |
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赤ちゃんの発達には個人差がある!周りと比べず個性を大切にしよう!
生後11ヶ月になると歩き始めたり、言葉の理解が進んだりと、さまざまな成長が見られるようになります。
赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しみながら、いろいろなことを体験させてあげましょう。
ただし、赤ちゃんの発達には個人差があるため、まだできないことがあっても焦らないことが大切です。
周りと比べずに、赤ちゃんの個性を大切にしながら成長を見守ってくださいね。
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