赤ちゃんのおむつには、テープタイプとパンツタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
この記事では、それぞれのメリット・デメリット、切り替えるタイミングやおすすめの使い分け例について詳しく紹介します。
阿部 一也
橋中央総合病院 医長
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業 現在は板橋中央総合病院勤務 専門は産婦人科
阿部先生の監修した記事一覧
https://kodomonosiro.jp/specialist/specialist-2180/
<この記事で分かること>
パンツタイプへの移行時期・・・動きが活発になる5〜6ヶ月頃に移行する家庭が多い
テープ・パンツタイプそれぞれの違い・・・それぞれメリット、デメリットがある!
おむつ使い分けのコツ・・・それぞれの特徴を生かしてシーンごとに使い分けるのが◎
パンツタイプの履かせ方・・・姿勢によって履かせ方にはコツがある!
パンツタイプのおむつへの替え時はいつ?
子育て中のママ100人に「おむつをテープからパンツタイプに変えた時期」についてアンケート調査をしたところ、もっとも多かった回答は「6ヶ月(25人)」、次いで「5ヶ月(18人)」「8ヶ月(11人)」でした。
生後5〜6ヶ月頃の赤ちゃんは寝返り、生後8ヶ月の赤ちゃんはおすわりやハイハイ、つかまり立ちができるようになる頃です。
動きが活発になり、寝かせておむつ替えをするのが難しくなる時期に、テープからパンツタイプに変えている家庭が多いようです。
具体的にどのようなことがきっかけになったのか聞いてみたところ、以下のような声が寄せられました。
おむつを替える際、足をじたばたさせるのでテープタイプだとスムーズに替えられなくなってしまったから。
ハイハイとつかまり立ちをするようになり、寝かせておむつ替えをすることが困難になったため。
おすわりするようになってから、背中から漏れるようになってきたため。
寝返りを打ち始めたので、なかなか上を向いての姿勢をキープ出来なかったから。
動くようになりおむつがズレるようになったのがきっかけです。
テープ、パンツタイプの違いは?メリット・デメリット
テープとパンツタイプには、どちらもメリット・デメリットがあります。
どのような特徴があるのか見ていきましょう。
テープタイプ | パンツタイプ | |
---|---|---|
得意なシチュエーション | 仰向け | 仰向けうつ伏せハイハイつかまり立ち |
苦手なシチュエーション | 仰向け以外・動きが激しいとき | 動きが激しいとき |
メリット | ・サイズを微調整しやすい ・ズボンを下げるだけでおむつ替えができる ・うんちのときもスムーズに替えられる ・コンパクトに丸めて捨てられる価格が安い | ・どんな体勢でも履かせやすい ・サイズ調整をする手間がない ・赤ちゃんが動き回っても脱げにくい ・漏れやズレが起きにくい ・ずれても直しやすい ・パンツを履く練習になる |
デメリット | ・仰向け以外でのおむつ替えが難しい ・赤ちゃんが動くと履かせにくい ・テープが外れて脱げることがある ・履かせ方にコツがあり、漏れやズレが起きることがある | ・うんちのときに交換しにくい ・ズボンを脱がせる必要がある持ち ・運びや保管の際にスペースがいる ・価格がやや高い |
テープタイプのメリット・デメリット
<メリット>
テープタイプのおむつは、テープでしっかり固定できるため、赤ちゃんの体型に合わせてサイズ調整がしやすく、ぴったりフィットさせることができます。
おむつ交換の際は、新しいおむつを下に敷いて交換できるため、ゆるいうんちの時でも、赤ちゃんや周囲を汚しにくく、清潔に交換できます。
また、パンツタイプよりも1枚あたりの価格が安く、経済的です。厚みが薄いので、捨てるときにコンパクトになり、持ち運びや収納にも便利な点もメリットといえるでしょう。
<デメリット>
おむつを替える際に仰向けになる必要があるため、赤ちゃんが自由に動き回れるようになると、替えるのに苦労することがあります。
また、テープの付け方が不十分な場合、激しい動きによってテープが外れてしまい、おむつがズレたり漏れたりする可能性があります。
パンツタイプのメリット・デメリット
<メリット>
パンツタイプはうつ伏せやハイハイ、つかまり立ちなど、どんな体勢でも履かせやすいのが大きなメリットです。
テープを留める必要がないので、おむつ替えの手間を削減できます。また、パンツを履く練習にもなるため、子どもの自立心を育むことができます。
<デメリット>
おむつ交換の際に、テープタイプのように新しいおむつを下に敷けないため、とくにゆるいうんちの時は、気をつけないと赤ちゃんや周囲を汚してしまいます。
また、ズボンを全部脱がせる必要があるため、外出先や場所によっては、おむつ交換に少し手間がかかってしまうことがあります。
さらに、テープタイプと比べると、価格がやや高く、厚みがあるので持ち運びや保管の際にスペースがいるのもデメリットといえるでしょう。
それぞれのメリットを生かして使い分けするのもおすすめ!
テープタイプとパンツタイプには、それぞれ違った魅力があります。
それぞれのタイプの特徴やメリットを活かして、シーンに合わせて使い分けるのもおすすめです。ここでは、シーン別の選び方のコツを紹介します。
昼はパンツ・夜はテープタイプ
赤ちゃんが活発に動き回るようになったら、昼間はおむつ交換がスムーズに行えるパンツタイプのおむつがおすすめです。
一方、夜は寝ている時間が長いため、テープタイプを使うのも良いでしょう。
昼夜で使い分けることで、経済的なメリットが得られます。
外出時はテープタイプ
外出時は、ズボンや靴を脱がさなくてもおむつ替えができるテープタイプが便利です。
コンパクトに収納できるため、荷物が多い外出時に向いています。
うんちが出た後のおむつ替えはテープタイプ
うんちの後のおむつ替えは、テープタイプのおむつが便利です。
下に新しいおむつを広げて交換できるため、赤ちゃんも服も汚しにくく、スムーズにおむつ替えができます。
とくに、ゆるいうんちの時やお腹の調子が悪い時は、テープタイプが活躍します。
幼稚園ではパンツ・家ではテープタイプ
幼稚園ではパンツタイプのおむつを指定しているところが多いですが、家では経済的なテープタイプを使う家庭もあります。
経済性を重視したい場合は、家と幼稚園で使い分けるのがおすすめです。
パンツタイプのおむつの履かせ方
ここでは、パンツタイプの基本の履かせ方と、立った状態での履かせ方を紹介します。
基本の履かせ方
仰向けに寝かせておむつを履かせるときは、以下のような手順で行いましょう。
<基本の履かせ方>
- 新しいおむつを準備して、おむつの前後を確認する
- 赤ちゃんを仰向けに寝かせたら、汚れたおむつを下ろすかサイドを破って脱がせる
- おしり拭きで汚れをきれいに拭き取る
- おむつの足側から手を入れて、赤ちゃんの足を優しく持って片方ずつ履かせる
- 足が通ったらウエスト部分を持っておへその高さまで引き上げる
- お腹まわりや太ももまわりのギャザーが内側に入り込んでいないか確認し、外側に立てる
POINT1.
片足を通したときに膝の上まで引き上げておいてから、もう片方の足を通すようにすると、赤ちゃんが足をバタバタさせても抜けにくくなります。
POINT2.
ギャザーが外側にしっかり立っていると漏れにくくなります。
男の子の場合は、おちんちんが下向きになっているか、ギャザーの上に乗っていないかも確認しておきましょう。
立った状態での履かせ方
つかまり立ちさせた状態でおむつを履かせるときは、以下のような手順で行いましょう。
<立った状態での履かせ方>
- 新しいおむつを準備して、おむつの前後を確認する
- 赤ちゃんをつかまり立ちさせ、履いているおむつを外す前に新しいおむつに足を通しておく
- 新しいおむつをセットしたら、つけているおむつの両端を破って外す
- おしり拭きで汚れをきれいに拭き取る
- 足元にセットしておいた新しいおむつのウエスト部分を持ち、おへその高さまで引き上げる
先輩ママに聞いた「おむつの履かせ方のコツ」
先輩ママたちに、じっとしていられない赤ちゃんへの「おむつの履かせ方のコツ」を聞いてみたところ、以下のような声が寄せられました。
おむつ替えに苦戦している方は、先輩ママたちの意見を参考にしてみましょう。
音が鳴るものや、興味があるものを渡して気を引いてるうちにおむつを履かせる
つかまり立ちしている時に、手早く履き替えさせることです。しっかり掴まらせて、両足を通したら、お腹までさっと引き上げます。
つかまり立ちしている時に、手早く履き替えさせることです。しっかり掴まらせて、両足を通したら、お腹までさっと引き上げます。
動く時は仕方ないので、落ち着くまで声掛けしながら嫌な時間だと思われないようにしてました。好きなおもちゃを持たせたり、終わったら褒めたりしました。
とにかく話しかけたり歌ったりしてこちらに気を引かせていました。パパがいる時はパパも声かけしてくれていました。
あまりに活発で足をバタバタしてなかなか履かせてくれない時は、体を左右にゴロゴロして遊んでいる間にササっとはかせてしまいます。
ベビーサークル内でおむつを履かせる
幼児番組(録画したもの)を見せて、夢中になっている間にサッと履かせる。
おむつは赤ちゃんの発達に合わせて適切に切り替え・使い分けよう!
今回の「おむつの切り替え時期に関するアンケート」の結果、赤ちゃんが寝返りやハイハイ、つかまり立ちなど、活発に動き始める時期に、おむつをテープタイプからパンツタイプへ切り替えるご家庭が多いことがわかりました。
テープタイプとパンツタイプにはそれぞれメリット・デメリットがあるので、シーンに合わせて使い分けるのもおすすめです。
赤ちゃんの成長や、おむつ替えの状況に合わせて、使いやすい方を選んでみてくださいね!
#おむつ替える時期 #おむつ替え #ハイハイ #育児