ウィステリア製薬の調査によると、61%ものママが新生児期(生後4週)で最も大変だったことは「寝かしつけ・夜泣きによる睡眠不足」と回答しました。
今まさに、赤ちゃんがなかなか寝てくれない、夜泣きで何度も起こされる…そんな悩みを抱えているママも多いのではないでしょうか?
本記事では小児科医監修のもと、新生児が寝ない主な原因、寝かしつけのコツ、なかなか寝ない赤ちゃんにおすすめのアイテムを紹介します。
2009年奈良県立医科大学医学部卒業後、神戸大学大学院医学研究所小児科学分野に入局。
2023年から現職。小児科専門医およびアレルギー専門医の資格を持つ。
新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診療している。3児のパパとして、子育て経験も豊富。
新生児が寝ない主な原因
新生児が寝ない原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、新生児が寝ない主な原因を4つ紹介します。
昼夜の区別がない
胎内では常に一定の暗闇に包まれて過ごしているため、生まれてすぐの赤ちゃんはまだ昼と夜の区別がついていません。そのため、夜にぐっすり眠るという概念がなく、1〜4時間の睡眠と1〜2時間の覚醒を繰り返すことが一般的です。
これは新生児にとって自然な状態であり、心配する必要はありません。生後3ヶ月頃ぐらいには体内時計が整い始め、次第に昼夜の区別がついてくるようになります。
排泄の機能が未熟
新生児は、まだ膀胱や腸が十分に発達していないため、おしっこやうんちをたくさん溜めておくことができません。そのため、1回の量は少ないものの、おしっこは1日に15〜20回程度、うんちは5〜10回程度と頻繁に排泄します。
おむつが濡れたり汚れたりすると、不快感を感じて寝つきが悪くなり、夜中に起きてしまうこともあります。
排泄の機能は、生後4ヶ月頃にはある程度発達します。赤ちゃんの成長とともに夜中にオムツを交換する回数は徐々に減ってくるでしょう。
一度に飲めるミルクの量が少ない
赤ちゃんの胃は、生後1日目でさくらんぼ程度、生後1ヶ月で卵サイズ程度の大きさです。
新生児の胃は小さく、一度に多くの母乳やミルクを飲めないため、すぐにお腹が空いて目が覚めてしまいます。
また、『十分な母乳が出ていない』、『赤ちゃんの吸う力が弱くて上手に飲めていない』といった理由で、授乳しても量が足りていない可能性もあります。
レム睡眠が多い
睡眠中は赤ちゃんも大人も、眠りが深い『ノンレム睡眠』と眠りが浅い『レム睡眠』を繰り返しています。
大人と比較すると、赤ちゃんはレム睡眠が多く、睡眠時間の半分以上を占めているといわれています。眠りが浅いので、ちょっとした音や刺激で目が覚めてしまうのです。
寝かしつけのコツ
ここでは、寝かしつけのコツを5つ紹介します。
不快なものを取り除く
新生児がなかなか寝ついてくれないのは、下記のような不快感が原因の場合が多いです。
赤ちゃんが機嫌を損ねている原因を特定し、対処するようにしましょう。
お腹が空いている
授乳間隔が空いていないか確認しましょう。新生児の授乳の目安は、2〜3時間程度です。
ミルクは母乳よりも消化に時間がかかるため、ミルクをメインであげている場合は、母乳のみの場合よりも授乳間隔が空くことが多いです。
おしっこやうんちでお尻まわりが気持ち悪い
新生児は1日におしっこは15〜20回程度、うんちは5〜10回程度排泄します。
おむつの不快感から目覚めてしまっている場合があるので、おむつが濡れていないか、汚れていないか確認しましょう。
ゲップが出なくて苦しい
新生児は、まだ上手に母乳やミルクを飲めないため、一緒に空気を飲み込んでしまうことがあります。それにより、お腹が張ってしまい、不快感やぐずりを引き起こすことがあります。
\赤ちゃんのゲップについて詳しくはこちら/
肌着の着心地やおむつのつけ心地が悪い
素材が硬すぎたり、小さすぎたりする服やオムツは避けましょう。 肌触りの良い、通気性・吸湿性の高い素材を選ぶと良いでしょう。
体が痒い・痛い
新生児は、肌が薄くデリケートなため、ちょっとした刺激でもかゆみを感じやすいです。また、爪が伸びるのが早いため、自分で掻きむしって肌を傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。
特に、乾燥はかゆみの原因になります。入浴後やおむつ替えの際は、綺麗に洗浄し、しっかり保湿するよう心がけましょう。
安全な睡眠環境を整える
乳幼児突然死症候群(SIDS)や窒息事故などのリスクを防ぐために、赤ちゃんを寝かしつけるときは、安全な睡眠環境を整えることが重要です。以下の点に注意して、赤ちゃんの快適な睡眠空間を作りましょう。
仰向けで寝かせる
乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを減らすために、必ず仰向けで寝かせましょう。うつ伏せや横向き寝は避け、背中を床につけて寝かせます。
硬めの寝具を選ぶ
ベビーベッドを使用するのが理想ですが、布団を使用する場合は、マットレスや敷き布団は、赤ちゃん専用の硬めのものを選びましょう。柔らかすぎる寝具は、赤ちゃんの体が沈み込み、呼吸が苦しくなる可能性があります。
枕は使用しない
赤ちゃんの気道を塞いでしまう可能性があるため、新生児のうちは枕は使用しないようにしましょう。
掛け布団は使用せず、おくるみやスリーパーを使う
掛け布団は、赤ちゃんの顔にかかってしまう可能性があるため、新生児のうちは使用しない方が良いでしょう。代わりにおくるみやスリーパーを使用し、体温を調整するのがおすすめです。
周囲に物を置かない
赤ちゃんの寝る場所に物を置くと、顔が覆われて窒息する恐れがあります。
可愛く飾ってあげたくなるかもしれませんが、寝る場所には何も置かないようにしましょう。
室内温度を適温に保つ
新生児は体温調節機能が未熟なため、室温と一緒に体温が上下しやすいです。
不快に感じて寝れなくなるだけでなく、体調不良を起こす原因になるので、室内温度を適温に保ちましょう。
新生児が眠るときに適した室内温度は、夏は26〜28度、冬は20〜23度が目安です。
他にも、室内外の温度差は5度以内、湿度は60%程度を目安にすると赤ちゃんが快適に過ごしやすくなります。
温度計や湿度計を設置し、こまめに赤ちゃんの状態や部屋の温度・湿度を確認して、調整してあげましょう。
寝室の明るさを昼夜でコントロールする
赤ちゃんが夜ぐずったり、朝早く起きてしまったりするのは、体内時計がまだ未発達で、昼夜の区別ができていないことが原因のひとつです。
赤ちゃんが昼夜のリズムを認識できるように、昼間は明るく活動する時間、夜間は暗く静かに眠る時間と教えてあげることが大切です。
昼間はカーテンを開けて日光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜に自然と眠くなるようになります。夕方から少しずつ薄暗くして、夜は常夜灯はつけずに静かな環境を作ってあげましょう。
夜中に授乳やおむつ替えをするときは、部屋の明かりはつけず、床置きタイプのナイトライトを使うと良いでしょう。電気をつけたり、話しかけたり、遊んだりすると赤ちゃんが覚醒してしまうので、暗い部屋で静かに行うことが大切です。
いつも同じ環境で寝かせる
赤ちゃんがスムーズに寝つき、ぐっすり眠るためには、いつも同じ環境で寝かせることが大切です。寝る場所を認識することで、安心感を得やすくなり、スムーズに眠りにつくことができます。
寝る場所は決めておき、できるだけ動かさないようにしましょう。ベビーベッドを使用するのが理想ですが、布団を使用する場合も、いつも同じ場所に敷きましょう。
昼寝も夜と同じ環境で寝かせると効果的です。寝室の明るさや音、室温などを統一することで、体内時計が整い、夜にスムーズに眠りにつくことができます。
新生児は、抱っこでしか寝ない場合も多いですが、泣いても少しだけベビーベッドに置いてみましょう。最初はぐずるかもしれませんが、徐々に慣れていくはずです。
なかなか寝ない赤ちゃんにおすすめのアイテム
ここでは、なかなか寝ない赤ちゃんにおすすめのアイテムを2つ紹介します。
おくるみ|Aikuruc
出典:Amazon
赤ちゃんが寝ているときに突然体をビクッとさせる「モロー反射」は、夜泣きや中途覚醒の原因となることがあります。
赤ちゃんが寝る時は、おくるみで体を包むことでモロー反射を防ぎ、長時間眠りにつきやすくなります。
Aikurucのおくるみは現役助産師が監修しており、子宮の中を再現したデザインで全身を包みこんで、赤ちゃんが楽な姿勢で眠れるのが特徴です。
オーガニックコットン100%で、蛍光剤と漂白剤など有害な染料は使用せず、ホルムアルデヒド国内試験にも合格しています。
薄めの生地で伸縮性・通気性・吸汗性に優れており、オールシーズン着用できます。
ダブルジッパーを採用しているので、おくるみを着たまま楽におむつ替えができるのも魅力です。
ホワイトノイズマシン|Dreamegg
出典:Amazon
赤ちゃんは、ママのお腹の中にいるときに常に一定のリズムの雑音(ホワイトノイズ)に包まれて過ごしています。そのため、静かな環境よりも、ある程度の雑音がある環境の方が安心感からぐっすり眠ることができると言われています。
Dreameggのホワイトノイズマシンは、ママの胎内で聞いていた音に似たホワイトノイズを含む21種類の癒し音が内臓されています。
USB-C充電式の大容量バッテリー内蔵で60時間使用可能、吊り下げフック付きでベビーカーやベビーベッドにも取り付けられます。
オフタイマー機能や音量も細かく調節できるのも魅力です。
赤ちゃんが寝ない原因を理解し、快適な睡眠環境を整えよう!
赤ちゃんが寝ない理由は、お腹が空いている、おむつが濡れている、暑い、寒い、何らかの刺激があるなどさまざまです。
まずは、赤ちゃんの様子をよく観察し、原因に合った対策を講じるようにしましょう。
ただし、赤ちゃんはそれぞれ性格や発達状態が異なり、睡眠時間も違います。なかなか寝なくても、「自分のせい」と考えて責めないようにしましょう。
赤ちゃんが寝なくて体力的・精神的につらいときは、医療機関や保健センターに相談したり、地域の子育てサービスを利用したりするのもおすすめです。周りの力を借りながら、無理せず育児を楽しむようにしましょう。
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