歯磨きする赤ちゃん

赤ちゃんの歯の健康を守るには、口腔ケアが欠かせません。
しかし、「歯磨き粉はいつから使っていいの?」「歯磨き粉を飲み込んじゃうのが心配」と悩むママ・パパも多いのではないでしょうか。
この記事では、歯磨き粉が必要な時期、歯磨き粉の選び方について詳しく紹介します。
赤ちゃんにおすすめの商品も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

監修医師 デンタルクリニックビジュー院長 橘 佳苗 
橘 佳苗先生

歯学部卒業後、都内大学病院歯科口腔外科にて勤務。麻酔科研修を経て総合病院口腔外科・一般歯科にて口腔外科学会認定医として従事する。その後、2014年にデンタルクリニックビジューを開院。オーラルケアに関する事だけではなく、栄養学、漢方など幅広い視点で患者様の健康をサポートしている。現在は、一児の母としての経験を活かし、子供の歯やお口の健康についても積極的に情報を発信している。

目次

赤ちゃんに歯磨き粉はいつから必要?

赤ちゃんの口腔ケアは『乳歯が生えてきたとき』から始める必要があります。
ただし、赤ちゃんはうがいができないため、歯磨き粉はうがいができるようになってから使うのが一般的です。
無添加で飲み込んでもOKな赤ちゃん用の歯磨き粉を選べば、乳歯が生え始めた頃から使用できます。

歯磨き粉の選び方

歯ブラシと歯磨き粉

ここからは早速、赤ちゃん用歯磨き粉の選び方を紹介します。

うがい・すすぎ不要

歯が生え始める時期は個人差がありますが、生後6か月頃になると、下の前歯が生えてきてます。
乳歯が生えてきた頃の赤ちゃんはまだうがいやすすぎができないため、口に入れた歯磨き粉のほとんどを飲み込んでしまいます。
水を口に含んでぶくぶくしたり、ぺーと吐き出したりできるようになるのは、早くて1歳半頃からです。
まだうがいやすすぎができない赤ちゃんには、うがい・すすぎ不要の成分にこだわった歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

無添加

赤ちゃんの口に入れる歯磨き粉の安全性にこだわりたいときは、『無添加』の歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。
無添加とは、化学物質を一切使用せず、食品成分や天然由来成分のみで作られた歯磨き粉のことです。一般的な歯磨き粉には、保存料・着色料・香料・防腐剤・界面活性剤など、さまざまな添加物が含まれています。
しかし、無添加には厳格な定義がありません。そのため、どの添加物が含まれていないのか、商品情報や成分表示をしっかりと確認することが大切です。

発泡剤不使用

発泡剤(主成分:ラウリル硫酸ナトリウム)は、泡を発生させて口の中に歯磨き粉を拡散し、汚れの除去をサポートする働きがあります。
爽快感があるため、一般的な歯磨き粉には発泡剤が含まれています。
しかし、赤ちゃんには刺激が強く、息苦しさや不快感から歯磨きを嫌がる原因になる可能性があります。
また、仕上げ磨きをする際に汚れ落ちが確認しづらく、しっかり磨けたと思い込みやすいデメリットもあります。
そのため、赤ちゃんには発泡剤不使用の歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。

研磨剤不使用

研磨剤も、一般的な歯磨き粉に含まれていることの多い成分です。
主成分は『リン酸水素カルシウム』『無水ケイ酸』『炭酸カルシウム』などで、着色汚れや歯垢を落とす働きがあります。
しかし、研磨剤は赤ちゃんには基本的に必要ありません。
研磨剤は歯の表面を削る作用があるため、柔らかい赤ちゃんの歯の表面を傷つけてしまうリスクがあるからです。
研磨剤が入っていない歯磨き粉を使用し、着色汚れなどが気になるときは、歯科医院に相談してクリーニングしてもらうと良いでしょう。

赤ちゃん好みの味

大人用の歯磨き粉は、清涼感があるミントやメントールが配合されている商品が多いですが、赤ちゃんにはこれらの刺激は強すぎます。
赤ちゃんは大人よりも味覚が敏感であり、特に苦味や辛味を強く感じやすいため、ミントやメントールの刺激を不快に感じて歯磨きを嫌いになる可能性が高いです。
赤ちゃん用の歯磨き粉には、ぶどう・いちご・バナナ・みかんなど、子供が好きな甘くて美味しい歯磨き粉を選ぶようにしましょう。

フッ素配合の有無

フッ素は『歯質を強くする』『虫歯菌の働きを弱める』『歯の再石灰化を促す』という働きがあり、フッ素入り歯磨き粉を使用すると虫歯予防効果が期待できます。
適量であれば、赤ちゃんにフッ素を使用することは基本的に問題はありません。
しかし、過剰摂取すると中毒を引き起こすリスクがあるため、フッ素入り歯磨き粉を使う際は使用量・方法を守り、赤ちゃんの手の届かないところで管理することが大切です。

<フッ素入り歯磨き粉の年齢別の濃度・使用量>

年齢濃度使用量
歯が生えてから~2歳900~1,000ppmF米粒程度(1~2mm 程度)
米粒程度(1~2mm 程度)
3〜5歳900~1,000ppmFグリーンピース程度(5mm程度)
グリーンピース程(5mm程度)
6歳〜成人・高齢者1,400~1,500ppmF歯ブラシ全体(1.5~2cm程度)
歯ブラシ全体(1.5~2cm程度)
出典:フッ化物配合歯磨剤 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

自宅での使用に不安がある場合は、きちんとうがいができる年齢になるまではフッ素不使用の歯磨き粉を使い、歯科医院でフッ素塗布をしてもらうと良いでしょう。

赤ちゃんにおすすめの歯磨き粉

ここからは、赤ちゃんにおすすめの歯磨き粉を紹介します。

ライオン『チェックアップジェル バナナ味』

出典:Amazon

うがい・すすぎ研磨剤無配合
無添加×バナナ味
発泡剤低発泡フッ素500ppmF
対象年齢1歳〜内容量60g

ライオンから発売されている『チェックアップジェル』は、歯科医師も推奨するフッ化ナトリウム配合のジェル状歯磨き粉です。
チェックアップシリーズには3種類5香味がありますが、1歳〜6歳未満のお子さんにはフッ化ナトリウム500ppmF配合のバナナ味がおすすめです。
研磨剤無配合なので、柔らかい乳歯を傷つけることなく安心です。

ピジョン『親子で乳歯ケア ジェル状歯みがき ぷちキッズ』

ぷちキッズ

出典:Amazon

うがい・すすぎ研磨剤配合
無添加×ぶどう・いちご・キシリトール
発泡剤無配合フッ素500ppmF
対象年齢1歳6ヶ月〜内容量60g

ピジョンの『親子で乳歯ケア ジェル状歯みがきぷちキッズ ぶどう味』は、1歳6ヶ月頃から使える、虫歯予防効果のあるジェル状歯磨き粉です。
薬用成分フッ素と食品用原料成分でできているので、使用中に万が一飲み込んでしまっても適正範囲の量であれば問題ありません。
発泡剤無配合なので泡立たず、汚れ落ちを確認しながら、すみずみまで丁寧にみがけます。

安心して使える赤ちゃん用の歯磨き粉を選ぼう

赤ちゃんとママ

乳歯は永久歯に比べてエナメル質や象牙質が薄く、歯質が弱いため、虫歯になりやすく、進行するスピードが速いといわれています。
ミルクや離乳食などの汚れが乳歯の表面に付着したままだと、虫歯のリスクが高まるため、乳歯が生えてきたら口腔ケアを始めるようにしましょう。

赤ちゃん用歯磨き粉を選ぶ際は、飲み込んでもOKか、どんな成分で作られているか、赤ちゃんが好む味かなど、赤ちゃんの月齢や好みに応じて適切な商品を選ぶことが大切です。
今回紹介した情報を参考に、安心して使える赤ちゃん用歯磨き粉を選び、大切な乳歯を守りましょう。

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