赤ちゃんの成長にともない、「いつからフォローアップミルクに切り替えるべき?」「フォローアップミルクは本当に必要?」といった疑問を抱えるママ・パパは少なくありません。
離乳食が進むと、不足しがちな栄養素を効率よく補えるフォローアップミルクの導入を検討している人は多いはず。
しかし「どのタイミングで導入するべきか」「どのように飲ませたら良いのか」と悩みますよね。
この記事では、フォローアップミルクの切り替え時期や飲ませ方について詳しく紹介します。
またフォローアップミルクを飲ませるときの注意点や、飲まないときに何ができるかもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
白井 沙良子
慶應義塾大学医学部 卒業 / 小児科医として、都内クリニックにて勤務
株式会社Kids Publicにて、小児科・産婦人科へのオンライン医療相談を運営 / 毎日新聞「医療プレミア」にて毎月連載
フォローアップミルクとは?赤ちゃんに必要かどうか知りたい!
フォローアップミルクとは、離乳食に移行した赤ちゃんに不足しがちな栄養素を補うために開発されたミルクのことです。
一般的には生後9か月頃以後の使用が推奨されています。
またフォローアップミルクは、下記のような赤ちゃんの健やかな成長に不可欠な栄養素が豊富に含まれていることが特徴です。
- 鉄分
- カルシウム
- ビタミンD
離乳食が進むと赤ちゃんは食事から多くの栄養素を摂取できるようになりますが、それだけでは足りない場合があるため注意しましょう。
特に鉄分は、離乳食だけでは不足しやすい栄養素のひとつです。
鉄分が十分に取れない状況が続くと、赤ちゃんの成長や発達に影響を与える恐れがあります。
さらに、カルシウムやビタミンDは骨や歯の発育に重要な役割を果たしており、十分な摂取が必要な栄養素です。
すべての赤ちゃんにフォローアップミルクが必要なわけではありませんが、離乳食の進み方や食の好みはそれぞれ異なります。
フォローアップミルクは母乳代替食品ではなく、離乳が順調に進んでいる場合は、摂取する必要はない。離乳が順調に進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や、適当な体重増加が見られない場合には、医師に相談した上で、必要に応じてフォローアップミルクを活用すること等を検討する。
離乳食が思い通りに進まず、成長が心配であるときは、医師と相談の上、あくまで離乳食のサポートとしてフォローアップミルクを使いましょう。
育児用ミルクとは何が違う?
育児用ミルクとフォローアップミルクには、いくつかの違いがあります。
育児用ミルクは、母乳の代わりとして、生まれたばかりの赤ちゃんが必要とするすべての栄養素をカバーするために作られたもの。
そのため、赤ちゃんの発育に不可欠な成分がバランスよく含まれていることが特徴です。
一方で、フォローアップミルクは、あくまで離乳食が進まず、鉄欠乏や適切な体重増加が見られない場合に、成長に必要な栄養を補うために使用されるもの。
フォローアップミルクは育児用ミルクとは異なり、鉄分のように離乳食のサポートとして特定の栄養素が強化されている点で大きな違いがあります。
また、育児用ミルクとフォローアップミルクは、使用時期にも違いがあります。
育児用ミルクは、赤ちゃんが食事ができるようになるまでの母乳の代わりなので、基本的に新生児から1歳頃までに与えます。
対してフォローアップミルクは食事では足りない栄養素を補うことを目的としているため、離乳食が始まる9か月頃から始めるのが一般的です。
フォローアップミルクはいつからいつまで飲むの?切り替えのタイミングとは?
一般的に、フォローアップミルクは生後9か月頃以後の使用が推奨されています。
これは、多くの赤ちゃんが9か月頃には離乳食が1日3回になり、食事からある程度の栄養を摂取できるようになるからです。
その前から始めてしまうと、フォローアップミルクでお腹が満たされてしまい、逆に離乳食が更に進まなくなる危険があります。
フォローアップミルクは離乳食では足りない栄養素を補うためのものなので、生後9か月以後から使用しましょう。
そしてフォローアップミルクをいつまで続けるかについては、食事だけで理想的な栄養バランスが摂れるようになり、身長や体重などの成長が順調になるまでです。
フォローアップミルクを開始したあとは、お子さんの食事量や食事内容、成長を基準に、医師と相談しながら、量を調節していきます。
フォローアップミルクを選ぶときのポイント
フォローアップミルクを選ぶときは、まず含まれている栄養素を確認することがポイントです。
というのも、フォローアップミルクはさまざまなメーカーが作っていますが、配合されている栄養素は同じではありません。
たとえば「鉄」は、多くのフォローアップミルクにおいて、一般的な育児用ミルクより多く含まれています。
しかし亜鉛や銅などの微量元素は含まれていないフォローアップミルクもありますし、またビタミンDについても、育児用ミルクよりも少ない含有量のこともあります。
そのため、医師と相談の上、赤ちゃんの離乳食の状況を見ながら、不足している栄養素が強化されている商品を選ぶことが大切です。
また、フォローアップミルクを選ぶときには、容器のタイプを確認することもポイントだといえます。
たとえば、フォローアップミルクには以下のようなタイプの容器があります。
容器のタイプ | 特徴 | 使用シーン |
---|---|---|
缶 | コスパが良い。種類が豊富。 | 自宅で使う場合に便利。 |
液体 | 粉を溶かす必要がなく、すぐに飲ませられる。基本的に缶に入っているので、保存性も優れている。 | 外出時や非常用のストックとして。 |
スティック | 個包装になっているので計量する手間がかからない。 | 外出時に手軽に使える。 |
キューブ | 携帯に便利で、粉がこぼれることがない。個別包装なので衛生的。 | 外出時に便利。 |
フォローアップミルクは、用途に合わせて容器を選ぶと便利に使えるでしょう。
飲む頻度が高いならコスパが良い大きな缶、お出かけで持ち運ぶなら個別包装など、使用目的に合わせて選んでくださいね。
フォローアップミルクの飲ませ方
ここでは、フォローアップミルクの適切な飲ませ方について詳しく解説します。
「飲ませ方がわからない」「どれくらい飲ませるの?」「夜寝る前に飲ませても大丈夫?」など、さまざまな疑問を解決するヒントにしてください。
量の目安
フォローアップミルクの量の目安は、赤ちゃんの月齢や年齢によって異なります。
フォローアップミルクを飲む目的は、あくまで離乳食では足りない栄養素を補うこと。
そのため、フォローアップミルクだけでお腹がいっぱいにならないように注意が必要です。
赤ちゃんの成長によって個人差はありますが、およそ上記の量を目安に、フォローアップミルクを与えると良いでしょう。
寝る前に飲ませても大丈夫なのか
フォローアップミルクを寝る前に飲ませても大丈夫ですが、与え方には注意が必要です。
- 毎日寝る前に与えるのは控える
- 飲んだ後には歯磨きをする
甘味のあるフォローアップミルクは、虫歯のリスクを高めます。
そのため、習慣として毎日寝る前に飲ませるのはおすすめできません。
もし寝る前にフォローアップミルクを飲んだ場合は、虫歯にならないよう必ず歯磨きをしましょう。
フォローアップミルクを飲まないときにできること
フォローアップミルクを飲まないときにできる工夫として、おやつや料理に活用することがあげられます。
水に溶けやすいフォローアップミルクなら、下記のようにさまざまなレシピにアレンジすることができるでしょう。
- ホットケーキ
- ドーナツ
- シチュー
- パンがゆ
フォローアップミルクを飲まなければならないのに赤ちゃんが嫌がる場合は、まず鉄やミネラルなどの栄養不足による成長不良がないかを受診する必要があります。
医師と相談の上で、成長に必要な栄養素を摂取する工夫ができれば問題ないと、柔軟に考えてくださいね。
おやつや料理にフォローアップミルクを加えれば、きっと赤ちゃんが気づかずスムーズに食べてくれるはずです。
フォローアップミルクを飲ませるときの注意点
フォローアップミルクを飲ませるときは、与えるタイミングに注意してください。
離乳食の前に与えると、フォローアップミルクでお腹がいっぱいになってしまいます。
フォローアップミルクはあくまでも離乳食で足りない栄養素を補うためのものなので、食後や食間に与えましょう。
また、赤ちゃんがフォローアップミルクを欲しがったとしても、既定の量を超えて与えるのはおすすめできません。
フォローアップミルクを飲みすぎると肥満を招く恐れがあるため、月齢や年齢にあった量を守ることが大切です。
フォローアップミルクを飲ませるのは9ヶ月頃から!赤ちゃんに合わせてタイミングや取り入れ方を変えよう!
今回は、フォローアップミルクを始めるタイミングや飲ませ方について解説しました。
赤ちゃんによって個人差はありますが、フォローアップミルクを使うのであれば、生後9か月以後からが推奨されています。
本記事では赤ちゃんがフォローアップミルクを嫌がるときの工夫についても紹介したので、ぜひ参考にしてください。
フォローアップミルクを上手に取り入れて、赤ちゃんの健やかな成長をサポートしていきましょう。
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