子供の虫歯予防には、親による『仕上げ磨き』が欠かせません。
しかし、「いつまで続けたらいいの?」「卒業のタイミングは?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、仕上げ磨きが必要な時期や正しいやり方、嫌がられずに仕上げ磨きをするポイントについて詳しく解説します。
歯磨き嫌いの子供におすすめの商品も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
歯学部卒業後、都内大学病院歯科口腔外科にて勤務。麻酔科研修を経て総合病院口腔外科・一般歯科にて口腔外科学会認定医として従事する。その後、2014年にデンタルクリニックビジューを開院。オーラルケアに関する事だけではなく、栄養学、漢方など幅広い視点で患者様の健康をサポートしている。現在は、一児の母としての経験を活かし、子供の歯やお口の健康についても積極的に情報を発信している。
仕上げ磨きはいつからいつまでするべき?
仕上げ磨きは、最初の乳歯が生えてきたタイミングからスタートし、永久歯が生えそろう12歳頃まで続けることが推奨されています。
小学校高学年まで仕上げ磨きを続けるのは、長く感じるかもしれません。
しかし、乳歯から永久歯に生え変わる時期は、歯の高さが揃っておらず、歯と歯の間に隙間ができやすいため、子供の歯磨きだけでは磨き残しが生じやすいのです。
永久歯が生えそろう12歳頃までは、口腔内のチェックも兼ねて仕上げ磨きをするようにしましょう。
アンケートでは6歳で仕上げ磨きを卒業した親が最多!
アンケート調査(調査年:2024年)によると、仕上げ磨きを『6歳』で卒業した親が35人ともっとも多く、次に多かったのは『7歳』でした。
推奨されている12歳まで仕上げ磨きを継続していた親は全体の1割にも満たず、推奨年齢と実際の年齢に大きな差があることが明らかになりました。
先輩ママに聞いた〜仕上げ磨きを卒業した理由〜
小学校に上がり、子供が自分で磨けるようになったのを機に6歳で仕上げ磨きを卒業しました。
小学3年生になった頃から仕上げ磨きを嫌がるようになったのでやらなくなりました。
今小学3年生ですが、毎日ではなく週末だけ仕上げ磨きをしています。いつまでやるべきか悩んでいます。
同世代の子供を持つママと話した時に、仕上げ磨きをしてないと聞いたのでやめた。
仕上げ磨き卒業の理由として「子供が自分で磨けるようになったから」という声が最も多く聞かれました。
しかし、自分で歯磨きができるようになったからといっても、子供の歯磨きだけではどうしても磨き残しができてしまいます。
毎食後の仕上げ磨きは難しい場合でも、寝る前の仕上げ磨きだけは、永久歯が生えそろうまで継続することが大切です。
仕上げ磨きは、何歳で完全に卒業するというものではなく、子どもの成長に合わせて(磨き残しの量などを参考に)徐々に時間を短くしていくなど、段階的に卒業していくのが良いでしょう。
目指せ虫歯ゼロ!仕上げ磨きの正しいやり方
毎日仕上げ磨きをすることは、親にとってもなかなか骨が折れる作業です。
ただし、仕上げ磨きはすべての歯を完璧に磨く必要はありません。
虫歯になりやすい場所を重点的に磨けば、効率的に虫歯予防ができます。
ここでは、虫歯になりやすい場所と、それぞれの正しい磨き方を紹介します。
①歯と歯茎の境・歯と歯の間を磨く
歯と歯茎の境目や歯と歯の間が虫歯になりやすいので、歯茎に近いところまでしっかり磨いてあげましょう。
子供の歯茎は大人よりも痛みを感じやすいので、歯ブラシが歯茎に当たらないように注意しましょう。円を描くように歯ブラシを動かせば、歯茎を傷つけずに効果的に磨くことができます。
とくに、上の前歯2本の間にある「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」というスジは、歯ブラシが当たると痛がりやすい場所です。
指でガードしながら優しく磨いてあげましょう。
②前歯の裏側を磨く
前歯の裏側は汚れがつきやすく、かつ歯ブラシが届きにくいので磨き残しができやすいところです。
とくに、上の前歯の裏側はスプーン状の形状になっているため、汚れが溜まりやすく、下の前歯よりも虫歯リスクが高いと言われています。
前歯の裏側を磨く時は、歯ブラシの先端1/3を使って優しくかき出すように磨くようにしましょう。
③奥歯の溝を磨く
1歳半頃に生えてくる奥歯は、汚れが溜まりやすい部分です。
とくに、上の奥歯は見えにくいので、磨き残しがないように注意が必要です。
歯ブラシは大きく動かさず、小刻みに動かして溝の中の汚れを落としましょう。
④歯と歯の間はフロスで汚れを取る
歯が生え揃ってくると、歯と歯の隙間が狭くなるので歯間に汚れが詰まりやすくなります。歯と歯の間の汚れは歯ブラシでは除去できないため、フロスを使いましょう。
フロスはノコギリを引くように小さく前後に動かして、ゆっくりと挿入します。
力任せに挿入すると、歯茎を痛めてしまう場合があるので注意しましょう。
奥まで入ったら、歯の側面に糸を沿わせて、下から上に動かします。
嫌がられずに仕上げ磨きをするポイント
ここからは、子供に嫌がられずに仕上げ磨きをするポイントを紹介します。
歯が生えてくる前から口元に触れて慣れさせる
口腔内を触られることに慣れていない赤ちゃんは、歯ブラシが当たる感触に不快感を感じて、歯磨きを嫌がるようになってしまいます。
歯磨きへの抵抗をなくすためにも、歯が生えてくる前から口元に触れて慣れさせておくことが大切です。
ガーゼや指で歯茎をマッサージする
清潔なガーゼや指で、歯茎をやさしくマッサージしましょう。最初は嫌がるかもしれませんが、根気よく続けることで徐々に慣れていきます。
口の周りを触って遊ぶ
歌を歌ったり、絵本を読んだりしながら、赤ちゃんの口の周りや頬を触って遊びましょう。スキンシップを楽しみながら、口元への刺激に慣れさせていきます。
赤ちゃんが嫌がる場合は無理をせず、タイミングを変えて試しましょう。早いうちから口元への刺激に慣れておくと、歯磨きへの抵抗がなくなります。
痛みを感じさせないよう注意する
汚れを落とそうとゴシゴシと強い力で磨くと、痛みが出て嫌がる原因になります。
仕上げ磨きをする際は、歯ブラシの毛先を歯の面に真っ直ぐに当て、歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で小刻みに動かし、1〜2本ずつ磨くのが基本です。
『力が入らないように鉛筆持ちする』『歯茎に当てないようにする』『上唇小帯を指でガードする』といったことも意識して、子供の反応を見ながら磨いてあげましょう。
また、歯ブラシの毛先が硬かったり、ヘッドが大きかったりすると、歯茎や上唇小帯に当たりやすくなります。
仕上げ磨きには、毛先がやわらかく、ヘッドの小さい歯ブラシを選ぶと良いでしょう。
笑顔で楽しい雰囲気をつくる
仕上げ磨きのときに必死になったりイライラしたりすると、怖い顔になって子供に不安や恐怖を与えてしまいます。
また、磨きをされる時間がつまらないと感じて、嫌がる子供もいます。
仕上げ磨きをするときは、笑顔で楽しい雰囲気を作りましょう。
なるべく子供の機嫌が良い時に磨くようにして、歯磨き中は声をかけたり歌を歌ったりするのがおすすめです。
他にも、歯磨きの絵本やアニメーションを見せて、『歯磨きは楽しいもの』『スッキリするもの』という良いイメージをつけると、歯磨きを嫌がりにくくなります。
なるべく短い時間でしっかり磨く
仕上げ磨きの時間が長いと、子供が飽きてしまいます。
『仕上げ磨きの正しいやり方』を参考に、虫歯になりやすいところをメインに、なるべく短い時間で終わらせましょう。
また、歯ブラシを長く口腔内に含んでいると、子供は息苦しくなったり、唾液を飲み込めなくなったりします。
苦しい思いをさせないように、歯ブラシは口腔内に長く入れず、呼吸や唾を飲み込むタイミングを作ってあげることも大切です。
歯磨きができたことをしっかり褒める
子供は親の喜ぶ顔を見ることや、親のお手伝いをすることが大好きです。
歯磨きをするをする時には、子供が何をしたのか、それがどのように役に立ったのかを明確に伝えましょう。
「お口を開けるの上手だね。助かるなー、ありがとう」
「じっと待っててくれるから、歯磨きがしやすいよ。ありがとう」
など、わかりやすい言葉で褒めることで、自分の行動と良い結果の関係を理解しやすくなります。
たとえ、上手に磨けなくても、決して叱ったり諦めたりしないようにしましょう。
「膝にゴロンとできたね!」
「今日も虫歯菌をやっつけられたね!」
など、些細なことでもたくさん褒めるのが効果的です。
小さな成功体験をたくさん積み重ねることで、歯磨きへの抵抗がなくなり、自主的に磨いてくれるようになります。
歯磨き嫌いの子供におすすめの商品
最後に歯磨き嫌いの克服に役立つおすすめ商品を紹介します。
【歯科医師監修】痛くない歯ブラシ 【PR】
歯磨きを嫌がるのは、『歯ブラシが痛い』というのも原因のひとつです。
歯科医師監修『痛くない歯ブラシ』は、子供のデリケートな歯や歯茎のことを考えて作られた子供用歯ブラシです。
超極細密毛で毛先を丸く加工しているので、優しく磨きながらしっかり歯垢を取り除きます。
ヘッド部分が小さく薄めなので、痛がらずに虫歯になりやすい奥歯もしっかり磨くことができます。
仕上げ磨きは永久歯が生えそろう頃まで必要!虫歯0を目指してしっかり磨こう!
子供の歯の健康を守るためには、永久歯が生えそろう頃まで、親御さんがしっかりと仕上げ磨きを行うことが大切です。
歯磨きを嫌がる場合は、痛くないように正しい磨き方をしたり、楽しい雰囲気を作ったりして工夫してみましょう。
今回紹介した仕上げ磨きのポイントやおすすめ商品を参考に、虫歯ゼロを目指して親子で歯磨きに取り組んでくださいね。
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