赤ちゃんの沐浴は、スキンシップを通して赤ちゃんとの絆を深める大切な時間です。
しかし、初めての育児となるパパ・ママは不安を感じる人が多いでしょう。
この記事では、産婦人科医監修の元、赤ちゃんの沐浴のやり方や準備、いつまで必要かなど、沐浴について詳しく解説します。
<この記事で分かること>
基本の沐浴のやり方・・・慣れないうちは手順通り丁寧におこなおう!
最新の沐浴のやり方・・・アウトバス法ならベビーバスが不要!
沐浴に関する気になる質問・・・産婦人科医による丁寧な解説はこちら
馬場 敦志
宮の沢スマイルレディースクリニック
経歴 筑波大学医学専門学類卒業
現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務
専門は産婦人科
馬場先生の監修した記事一覧
https://kodomonosiro.jp/specialist/specialist-2350/
沐浴の基本のやり方
早速、沐浴の基本のやり方を紹介します
沐浴を始める前には、赤ちゃんの様子をしっかりと観察することが大切です。
ぐずったり泣いたりしている場合は、機嫌が落ち着くまで待ってから沐浴させましょう。
授乳後すぐや空腹時は、赤ちゃんの体に負担がかかりやすいため避けてください。
発熱がある時は、沐浴の代わりに、ぬるま湯で湿らせたタオルで体を拭いてあげると良いでしょう。
準備をする
スムーズに沐浴を行うために、必要なアイテムを準備しておきましょう。
沐浴に必要な基本アイテムは以下の通りです。
- ベビーバス
- 湯温計
- ガーゼ
- 沐浴布(ガーゼでもOK)
- ベビー用洗浄料(泡で出るタイプがおすすめ)
- 手おけ
- バスタオル
- 着替え
- おむつ
- 保湿剤
- 綿棒
- 水分補給できるもの
沐浴後に赤ちゃんが湯冷めしないように、すぐに体の水分を拭き取って着替えられる状態にしておくことが大切です。
着替えの上におむつを重ね、さらにその上にバスタオルを敷いておきます。
赤ちゃんが裸になっても寒くないように、室温は22〜23℃程度に設定しておきましょう。
ベビーバスにお湯を張る
ベビーバスの7分目くらいまでお湯を張りましょう。
お湯の温度は夏は38℃程度、冬は40℃程度が適温です。
肘の内側が熱いと感じないくらいが目安ですが、慣れないうちは適温に調節するのが難しいため、湯温度計で確認してから赤ちゃんを入れると安心です。
顔を拭く
服を脱がせる前に、濡らして絞ったガーゼで優しく顔を拭きます。
目や鼻まわり、頬、口周りなどパーツごとに拭いていき、目やにや汗、皮脂を落としてあげましょう。
一回ごとにガーゼをすすぎ、使うところを変えながら拭いていくのがポイントです。
服を脱がせベビーバスに入れる
赤ちゃんの服を脱がせて、寒くないよう沐浴布を体にかけます。
この際、全身に湿疹やかぶれなどがないか、よく確認するようにしましょう。
その後、赤ちゃんを腕で支えながら、足からゆっくりとベビーバスに入れ、肩までお湯につかるよう優しく抱っこします。
頭を洗って流す
片方の手の親指と人差し指で首を支えます。
もう片方の手にベビー用洗浄料をとり、握るようにして泡立て、頭全体をくるくると撫でるようにして優しく洗いましょう。
毛の生え際は皮脂分泌が多く肌トラブルが起きやすいので、丁寧に洗います。
洗い終わったら、お湯ですすいで水分を拭き取りましょう。
体の表面を洗う
洗う部位の沐浴布を取り、首→腕→脇→お腹→足の順に洗っていきます。
とくに、首や耳の裏、脇の下、手のひらなど、くびれやシワのある部分は、汗や汚れが溜まりやすいので、丁寧に洗うことが大切です。
首は指を使ってV字に、腕や足は胴体から指先に向かって自分の手をクルクルと軽く回転させながら洗います。
胸やお腹は、手のひらで「の」の字を書くように撫でながら洗いましょう。
ひっくり返して裏面を洗う
次に、背中とお尻を洗います。
赤ちゃんの脇の下に片方の手を入れて手のひらで支えながら、手首に赤ちゃんの顎をのせるようにしてゆっくりとうつ伏せにします。
赤ちゃんの口や鼻がお湯につからないように注意しましょう。
もう片方の手に洗浄料をとり、泡立てて背中とお尻を洗います。
最後に陰部を丁寧に優しく洗いましょう。
仰向けに戻して体を流す
赤ちゃんをそっと仰向けに戻して、沐浴布で胸を覆い、肩までお湯に浸からせて体を温めてあげましょう。
1〜3分ほどしたら沐浴布を外し、足から胸に向かって身体に残った洗剤をシャワーで優しく洗い流します。
バスタオルにくるんで体をふく
広げておいたバスタオルの上に赤ちゃんを寝かせて体を包み、やさしく水分を拭き取ります。
くびれやシワの部分は水分が残りやすいので、念入りに拭きましょう。頭部は優しくこするように拭きます。
保湿する
水分を拭き取ったら、赤ちゃんの肌が乾燥しないよう、ベビーオイルやベビーローションなどの保湿剤で全身を優しくマッサージするように保湿します。
おへそのケアをする
沐浴後は、おへそ周りを綿棒で優しく拭き、水分をしっかり取り除きましょう。
おへそに水分が残っていると、においや細菌感染の原因になることがあります。
耳や鼻の汚れも、綿棒やガーゼでそっと拭き取ってあげましょう。
これらのケアを終えたら、清潔な衣服を着せて沐浴完了です。
水分補給をする
沐浴の後は、汗をかいて体の中の水分が失われているので水分補給が大切です。
着替えが終わったら、母乳やミルクを飲ませてあげましょう。
飲みたがらない場合は、無理に与えなくて大丈夫です。
【最新】新しい沐浴のやり方(アウトバス法)
最初に基本の沐浴のやり方を紹介しましたが、最近では、アウトバス法という新しい沐浴法が広まってきています。
基本の沐浴との違いやメリット、やり方をチェックしてみましょう。
基本の沐浴との違い
基本の沐浴はベビーバスの中で体を洗いますが、アウトバス法はベビーバスを使用せず、バスマットの上でシャワーを使って体を洗います。
新しい沐浴(アウトバス法)のメリット
アウトバス法は、両手で赤ちゃんをしっかり支えながら、全身を丁寧に洗える沐浴方法です。
シャワーで洗い流すことで、赤ちゃんの肌を清潔に保ち、肌トラブルを予防する効果が期待できます。
また、ベビーバスを用意する必要がなく、赤ちゃんをお湯に落としてしまう心配もありません。
短時間で簡単にできるので、忙しいパパやママにおすすめです。
新しい沐浴のやり方
事前準備や洗い方、洗った後の流れは基本のやり方と同じです。
火傷の恐れがあるため、すすぐ際は必ずシャワーの温度を確かめるようにしましょう。
- 服を脱がせて、ベビーマットの上に寝かせる
- たっぷりの泡で頭を洗い、洗い終わったら弱めのシャワー(38〜39℃程度)でしっかりとすすぐ
- 次に顔を洗い、洗い終わったらシャワーですすいで、水分を軽く拭き取る
- 次に体を洗い、洗い終わったら首から下に向かってよくすすぐ
- バスタオルの上に寝かせて水気を拭き取る
沐浴についてよくある質問
ここでは、沐浴についてよくある質問と回答を紹介します。
いつまで沐浴でいつから一緒に入浴できますか?
生まれたばかりの赤ちゃんは、免疫力が低く、細菌に感染しやすいため、大人と同じお風呂ではなく、ベビーバスを使用して沐浴させることが大切です。
沐浴の目安は、新生児期(生後0日〜28日)までですが、赤ちゃんの成長や健康状態によって、沐浴を続ける期間は異なります。
1ヶ月健診で医師に問題がないと言われたら、大人と一緒の浴槽で入浴が可能です。
\大人と一緒の入浴についてはこちら/
沐浴の時間は、毎日だいたい何時頃、どのくらいの時間が良いですか?
沐浴をする時間に決まりはありませんが、毎日だいたい同じ時間帯に入れるのがよいでしょう。
時間は衣服を着せる時間までいれて〜10分が目安です。
同じ時間に沐浴させることで、赤ちゃんの生活リズムが整いやすくなります。
夜遅い時間はぐずりやすいので、なるべく早い時間帯に沐浴させるようにしましょう。
沐浴にベビーバスは絶対必要ですか?
生まれたばかりの赤ちゃんは免疫力が弱いため、感染症にかかるリスクが高いです。
基本の沐浴をする際は大人と同じ浴槽に入れず、専用のベビーバスで行いましょう。
ベビーバスの用意がない場合は、アウトバス法でおこなうことをおすすめします。
沐浴は1日に何回入れるべきですか?
赤ちゃんは、新陳代謝が活発なため汗をたくさんかきます。
また、ミルクやうんちで汚れてしまうことが多いため、毎日1回沐浴し、清潔に保つことが大切です。
とくに夏場は、汗をかきやすいので、あせも予防のために1日1〜2回沐浴させても良いでしょう。
沐浴させる場所はどこが良いですか?
沐浴をさせる場所は浴室でなくても問題ありません。
キッチンのシンクや洗面台で使えるベビーバスやバスマットも販売されています。
沐浴する場所を決めておき、場所に合った大きさや形状のものを使うと良いでしょう。
耳にお湯が入ったらどうすれば良い?
赤ちゃんの耳にお湯が入ったときは、綿棒で耳の入り口を軽く拭いてあげましょう。
耳に水が入っても、外耳道の奥の鼓膜で止まり、中耳には入らないため、中耳炎になることはありません。
沐浴の正しい入れ方を理解して育児を楽しもう!
沐浴は、赤ちゃんと触れ合う大切な時間です。
正しい方法で沐浴させることで、赤ちゃんは気持ちよく、安心して過ごすことができます。
ぜひ、今回紹介した情報を参考に、限りある育児の時間を楽しんでくださいね。
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