赤ちゃんの成長過程において、大きな節目となる「ハイハイ」。

それだけに、なかなかハイハイをしないと、「いつから始まるんだろう」「ハイハイできなかったらどうしよう」と心配になるママやパパもいるでしょう。

今回は、ハイハイをする時期やハイハイをする前兆、発達する順番、ハイハイの正しい練習方法について詳しく紹介します。

<この記事で分かること>

ハイハイを始める時期・・・生後7〜10ヶ月頃にハイハイを始める赤ちゃんが多い

ハイハイをする前兆・・・発達の順番や時期は赤ちゃんによってさまざま!

ハイハイの練習方法・・・親のサポートも大切!

ハイハイをしないのは自閉症や発達障害?・・・ハイハイが出来ないからといって発達障害を疑う必要はない!

監修医師 東京シティクリニック大山 白井 沙良子
白井 沙良子

白井 沙良子

慶應義塾大学医学部 卒業 / 小児科医として、都内クリニックにて勤務

株式会社Kids Publicにて、小児科・産婦人科へのオンライン医療相談を運営 / 毎日新聞「医療プレミア」にて毎月連載

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目次

ハイハイはいつからするのが普通?

まずは、ハイハイの特徴やハイハイを始める時期について確認してみましょう。

そもそもハイハイとは

ハイハイとは、手の平と膝を床につけ、四つん這いの状態で前に進む動作を指します。

ハイハイにはいくつかのバリエーションがあり、「ずりばい」「高ばい」という種類もあります。

ずりばいうつ伏せの状態で、ほふく前進のようにお腹を床につけたまま腕や脚を使って前に進む動作。
ハイハイの前に始まり、徐々にお腹をあげてハイハイに移行していくことが多い。
高ばい両手と足の裏を床につけた状態で、肘と膝を伸ばしたまま四足歩行の動物のように前に進む動作。
腕や足の筋肉が発達していないとできない動作で、高ばいの体勢でお尻を振るときは歩き始める前兆と考えられている。

ハイハイを始める時期の平均は7〜10ヶ月頃

厚生労働省の調査によると、生後7〜8ヶ月の赤ちゃんのおよそ半数以上がハイハイができ、9〜10ヶ月になるとハイハイができる割合が9割を超えるという結果が出ています。

このことから、多くの赤ちゃんが生後7〜10ヶ月頃にハイハイを始めることがわかります。

時期(月齢・年齢)ハイハイができる割合
4~ 5ヶ月0.9%
5~ 6ヶ月5.5%
6~ 7ヶ月22.6%
7~ 8ヶ月51.1%
8~ 9ヶ月75.4%
9~ 10ヶ月90.3%
10~ 11ヶ月93.5%
11~ 12ヶ月95.8%
1歳~ 1歳未満96.9%
1~ 2歳97.2%

参考:厚生労働省「平成22年 乳幼児身体発育調査 P9調査結果

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ハイハイをする前兆は?身体が発達する順番

ここでは、ハイハイをする前兆や発達する順番を紹介します。

赤ちゃんの成長には個人差があります。記載している月齢や年齢はあくまで目安のため、多少遅れていても心配ありません。

首すわり(3〜4ヶ月頃)

生後3〜4ヶ月頃になると、赤ちゃんは首がすわり、頭を安定して支えられるようになります。
これにより、後頭部を支えなくても縦抱きができるようになり、首の力がついて自分で頭を自由に動かせるようになります。

寝返り(4〜6ヶ月頃)

首や足腰の力がついてくると、仰向けの体勢から体をひねってうつ伏せになる「寝返り」ができるようになります。
寝返りができるようになると、新しい世界が広がる一方で、まだうつ伏せの姿勢に慣れていないため、苦しくて泣いてしまうこともあります。

また、寝返りができるようになると、窒息や転落などの事故のリスクが高まるため、安全な環境作りが大切です。

独り座り(7〜9ヶ月頃)

腰の力がついてくると、1人でお座りができるようになります。
はじめは上手にできないことが多いので、腰を支えたり、支えのある椅子に座らせたりしてあげましょう。

ハイハイ(7〜10ヶ月頃)

独り座りができるようになると、次はハイハイができるようになります。
ただし、一人座りの時期と前後して、ハイハイから始める子も多いです。

ハイハイの前兆には、以下のようなものがあります。

ハイハイの前兆
  • お座りの体勢から床に手をつき前に進もうとする
  • うつぶせ姿勢で手足をバタバタと動かす
  • うつぶせ姿勢で同じ場所をぐるぐる回る
  • うつぶせ姿勢で上体やお尻を持ち上げようとする
  • うつぶせ姿勢で後ろに下がる

ハイハイの前兆があったら、赤ちゃんが動いても危険が及ばないように、部屋の環境を整えましょう。

つかまり立ち(8〜11ヶ月歳頃)

ハイハイで行動範囲が広がると、人や物につかまって立ち上がる「つかまり立ち」をするようになります。
はじめはお尻をついてしまうことが多いですが、足腰が強くなると長時間立てるようになってきます。

行動範囲が広がることで危険も増えるため、倒れやすいものは置かない、転倒対策をするなど、安全に気を配りましょう。

独り歩き(12〜15ヶ月頃)

つかまり立ちが安定してくると、赤ちゃんは手を離してひとりで歩き始めるようになります。
最初はよろめいたり転んだりすることも多いので、安全な環境で十分に練習させてあげることが大切です。 

床に物が散らかっていると、赤ちゃんはつまずいて転んでしまうことがあります。
安全な遊び場を確保し、安心して歩けるように配慮してあげましょう。

ハイハイの正しい練習方法

赤ちゃんの成長には個人差が大きいため、ハイハイを始める時期や、ハイハイを好んでするかどうかは、赤ちゃん一人ひとりの個性によって異なります。

無理にハイハイを促す必要はありませんが、安全な環境を用意してあげることで、赤ちゃんが自然にハイハイに興味を持つようになる場合もあります。ここではハイハイを促す遊びや、練習方法を紹介します。

環境を整える

まずは、ハイハイしやすい環境を整えましょう。

安全にハイハイができるように誤飲や怪我につながるものは片付けて、広いスペースを用意します。

膝が擦れて痛くないように、床にはプレイマットを敷いてあげましょう。

うつ伏せで遊ばせる

ハイハイができるようになるためには、うつ伏せの状態で遊ばせてハイハイに必要な筋肉をつけることが大切です。
赤ちゃんがうつ伏せを嫌がる場合は、大人が仰向けになり、胸の上に赤ちゃんをうつ伏せで乗せて、スキンシップをとるのがおすすめです。

うつ伏せの時間を楽しむうちに、自然とハイハイの準備が整います。

ママ・パパが見本を見せる

赤ちゃんは、早い子だと生後7ヶ月頃から大人の真似をするようになります。

赤ちゃんの前でママやパパがハイハイの見本を見せてみましょう。
赤ちゃんがやってみたいと思うように、楽しそうにハイハイをして見せるのがポイントです。

興味があるものを近くに置く

赤ちゃんの興味があるものを置いて、ハイハイを促す方法もあります。

もう少し手を伸ばせば届きそうな場所に、お気に入りの玩具を置いてみましょう。
「取りたい」という気持ちから、自然とハイハイの練習になります。

もし、赤ちゃんが泣いて欲しがったり嫌がったりする場合は、無理をせずに渡してあげましょう。

動きをサポートする

赤ちゃんが上手にハイハイできないときは、動きを少しサポートしてあげましょう。

足の裏をそっと押してあげることで、前に進む感覚を掴みやすくなります。
膝を曲げたり伸ばしたりする動きを意識することで、スムーズに体を動かせるようになるでしょう。

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ハイハイに関するよくある質問

ここでは、ハイハイに関するよくある質問と回答を紹介します。

ハイハイをしない場合、自閉症や発達障害の可能性はありますか?

赤ちゃんは一人ひとり発達が異なり、ハイハイをしないまま、つかまり立ちや独り歩きを始める子もいます。

これらはすべて定型発達の一つです。
そのため、ハイハイをしないからといって、すぐに発達障害を疑う必要はありません。

ただし、ごくまれに、筋肉や神経の異常が原因でハイハイができない場合もあります。
基本的に乳幼児健診で異常が指摘されない限りは心配ありませんが、気になることがあれば、小児科医に相談してください。

ハイハイができない場合、いつ頃、どこに相談すれば良いですか?

発達の順番は子どもによってさまざまです。

なかには、ハイハイをせずに、つかまり立ちや独り歩きを始める子もいます。
そのため、ハイハイをしないからといって、すぐに心配する必要はありません。

ただし、1歳になってもつかまり立ちができない場合は、小児科医に相談してください。

ハイハイをする時期には個人差がある!焦らず子供の成長を見守ろう!

ハイハイを始める時期は、生後7〜10ヶ月頃が目安です。

ハイハイの前兆が見えたら、優しくサポートしてあげましょう。

ただし、赤ちゃんの成長には個人差があるため、ハイハイをするのが遅い子や、ハイハイをしないままつかまり立ちや、独り歩きに進む赤ちゃんも少なくありません。

ハイハイが上手にできなくても焦らずに、子どもの成長を見守ってあげてくださいね。

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